ネイピア・ライオンとは? わかりやすく解説

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ネイピア ライオン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/20 05:27 UTC 版)

ネイピア・ライオン

ライオン: Lion)はイギリスネイピア1917年から開発し1930年代まで使われた、航空レシプロエンジンである。

形状は、直列4気筒を3列の扇形に配置したW型で、12気筒である。2本のオーバーヘッドカムシャフトによる1シリンダあたり4弁形式、アルミニウム合金から加工された一体型シリンダーヘッドなどの進んだ技術を採用していた。

1917年に開発され、試作されたプロトタイプはデ・ハビランドDH 9に搭載されたが、冷却やシリンダーヘッドの加工精度の問題があった。分割型のシリンダに戻され、その年の中頃から生産が始められた。初期のライオンIは25,000 ccの排気量で450 hpを発生した。これはアメリカのリバティ L-12エンジンの400 hpをしのぎ、当時最強のエンジンであった。

ネイピアは商業的に成功し、エンジン専門メーカーとなった。ライオンは160種類におよぶ航空機に採用された。

レース用にチューンされたエンジンは1,300 hpに達し、速度記録用、長距離飛行用の機体に採用された。シュナイダー・トロフィー・レースでの1922年と1927年の優勝機のエンジンになったが、その後はロールス・ロイスのレース用エンジンにとってかわられた。

1930年代になって、より大馬力が要求されるようになると、ライオンはブリストル ハーキュリーズロールス・ロイス マーリンに比べると、排気量が少なく、旧式化も否めなかった。ネイピアは16気筒で400 hpのレイピア、24気筒で1,000 hp弱のダガーを開発したが、他社に比べて非力であったため、スリーブバルブ方式を採用したセイバーを開発することになる。

スペック

  • レイアウト: 12気筒 W型 水冷 ピストンエンジン
  • ボア、ストローク: 5.5 in、5 1/8 in
  • 総排気量: 1,462 in3 (25,000 cc)
  • 圧縮比: 不明
  • 出力: 500 hp / 2,050 rpm
  • 重量: 858 lbs (290 kg)

関連項目


ネイピア・ライオン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/18 00:47 UTC 版)

W型12気筒」の記事における「ネイピア・ライオン」の解説

最も有名なW型12気筒一つとして第一次世界大戦中1917年から1930年代後半にかけてイギリスネイピア・アンド・サンによって航空機用レシプロエンジンとして設計生産されネイピア ライオンエンジンが挙げられる。このエンジンアルミ合金製のシリンダーブロックシリンダーヘッドをもつ総排気量24Lのエンジンで、3つのシリンダーバンク60度の角度結合され生産時期により450馬力から900馬力出力発揮した。 このエンジン航空機以外レーシングカーでもジョン・コッブやマルコム・キャンベルの手により使用され航空機レースでもen:Supermarine_S.5がシュナイダー・トロフィー・レース制した記録が残る。また、en:Hubert_Scott-Paineがパワーボートen:Miss_Britain_IIIに用いて競技用いた記録もある。 ネイピア・ライオンを参考開発されロレーヌ 12Eは8,000台が生産された。 このような3バンクW型12気筒フォルクスワーゲンアウディ狭角V型エンジン応用したWR12エンジン開発する前に試作された記録があるほか、イギリス自動車メーカーサンビーム自社en:Sunbeam_Arabエンジン改良してen:Sunbeam Kaffirエンジンとして開発していたが、いずれもネイピア・ライオンのような成功を収めることなく終わっている。

※この「ネイピア・ライオン」の解説は、「W型12気筒」の解説の一部です。
「ネイピア・ライオン」を含む「W型12気筒」の記事については、「W型12気筒」の概要を参照ください。

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