ドニー・イェンとハリウッド
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「ドニー・イェン」の記事における「ドニー・イェンとハリウッド」の解説
1999年から2000年にかけ、ユエン・ウーピンがアクション指導を務めた『マトリックス』シリーズや『グリーン・デスティニー』がアメリカでヒットしたこともあり、クエンティン・タランティーノ監督がミラマックスに推薦した事で、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ外伝/アイアンモンキー』(1993年作)の全米公開が実現。2001年10月12日に“Iron Monkey”として1,225館で公開され、初登場でボックスオフィスの6位にランクインした。この公開準備期間中にミラマックスと契約を交わしたドニーは初めてのハリウッド作品『ハイランダー/最終戦士』に出演している。 その後のギレルモ・デル・トロ監督、ウェズリー・スナイプス主演の『ブレイド2』でのスノーマン役は、一部アクション指導として参加する予定だったところを、請われて急遽決まったものであった。そのスノーマンの最期が曖昧になってしまったことについては、監督のデル・トロが「ドニーの次の仕事が決まっていてとにかく時間がなかった」と『ブレイド2』ブルーレイ版スチールブック仕様に収録されたコメンタリーで話している。 この作品の現場と担当したアクションの仕上がりについてドニー・イェンは、カメラアングルをはじめ撮影のコントロールやシーン編集までの一切を取り仕切る香港での職責とあまりにも違う当時のハリウッドシステムに落胆し、動作設計がカメラの不慣れさや編集で壊されてしまったといい「この映画を見ると、とてつもなくアマチュアの人がプロの創ったものを処理しているという感じがする。残念だ」と著書に記した。その後も、両者の違いについては事あるごとに語っている。 同時期に撮影したジャッキー・チェン主演の『シャンハイ・ナイト』にゲスト出演して以降香港に戻った彼は、ハリウッドからの出演依頼を辞退し、2012年にはヒットシリーズ『エクスペンダブルズ2』のオファーを断わったことが報道されている。 しかし2013年には、“Iron Monkey”公開以来親交のあった元ミラマックスのハーヴェイ・ワインスタインからの熱心なラブコールに応え、『グリーン・デスティニー』の続編である『Crouching Tiger Hidden Dragon: ソード・オブ・デスティニー』への出演をカンヌ映画祭で発表。これを機にハリウッドの大手事務所「クリエイティヴ・アーティスツ・エージェンシー(Creative Artists Agency)」とも契約を交わした事が伝えられた。 そのことについては「ハリウッドに参戦するつもりはないよ。ここ(香港)で映画を快適に撮ってるし、僕の家はここにあるもの。定期的にオファーは届いてる、例えばエクスペンダブルズ1や2。それには感謝しているけれど、ただその他大勢の役のために3カ月費やしたくはないので丁重にお断りした。でもCAAは僕の所へやって来たんだ、世界最高のエージェンシーに手伝ってもらってもいいよね。それがLAに戻るということにはならないよ、だって、ここが僕のホームなんだから」と語った。 2015年8月にはスター・ウォーズシリーズの実写スピンオフである『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』に出演することが発表された。その直後の雑誌の取材に対して、自身の出演作の多くに暴力シーンがあると前提し「そろそろ自分の子供たちに観せることのできる映画を撮ってもいい頃だ。スター・ウォーズはファミリー映画だし子供たちも気に入ると思う」と話した。また、別のインタビューでは「ハリウッド映画に出ることが僕の目標や考えている事ではない、ハリウッド作にも良くない作品はあるよね」と答え、将来香港とハリウッドとはコラボレーションできるだろう、それでよりよい作品を生み出せると語っている。
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