ドイツでの基礎研究成果とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > ドイツでの基礎研究成果の意味・解説 

ドイツでの基礎研究成果

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/21 15:56 UTC 版)

ステンレス鋼の歴史」の記事における「ドイツでの基礎研究成果」の解説

一方ドイツでは、グスタフ・タンマン(ドイツ語版)が合金状態図研究進めていた。タンマンは、よく使われていた金属20種類について組成変えながら組み合わせて1900個もの試料作製して合金状態図全貌大まかながら明らかにした人物である。1907年、タンマンは初のクロム二元状態図報告した。この状態図間違い不完全な点を含んでいたが、初のクロム二元状態図として価値あるものであった。 タンマンのクロム二元状態図発表は、アーヘン工科大学教授であったヴィルヘルム・ボルヒャース(ドイツ語版)を触発した。1908年、ボルヒャースは、研究生であったフィリップ・モンナルツに、タンマンの結果追試と無炭素クロム鉄合金耐酸性機械的性質研究進めさせた。モンナルツは、クロム含有量 3.8 % から 98.2 % までの試料用意した炭素量は、現在からの推定で 0.03 % 以下であった。タンマンの結果追試後、モンナルツは塩酸硫酸硝酸混酸水道水大気といった環境下で試料耐食性試験した。 モンナルツの研究成果は、彼の学位論文 "Beitrag zum Studium der Eisen-Chromlegierungen unter besonderer Beriicksichtigung der Saurebestandigkeit"(参考訳:クロム鉄合金における特に耐酸性注目した研究への寄与) としてまとめられ1911年大学提出された。この論文でモンナルツは、次のような、現在でも通用する卓越した知見述べている: クロム鉄合金耐食性の向上は、不働態現象によって起こること 不働態強さクロム含有量比例すること 不働態酸化雰囲気形成されるが、還元性雰囲気では破壊されること クロム含有量 12 % 以下になると、クロム鉄合金耐食性落ち出し、この現象硝酸大気中で特に顕著であること 合金中の炭素クロム炭化物形成すること 形成されクロム炭化物硬さ向上させるが、耐酸性悪化させること 含有されている炭素は、チタンバナジウムモリブデンタングステンのような炭化物生成元素を少量添加すれば、耐食性悪化させないように安定化できること モリブデン添加は、耐食性向上に特に有効であること モンナルツの研究成果驚くべき点は、ステンレス鋼自体発見留まらずステンレス鋼がなぜ耐酸性を持つのかという原理発見にも及んでいる点である。この画期的な研究成果は、1911年3月4月の2回に分けて学術雑誌にも掲載され大きな反響があった。ハドフィールドから広まったクロム鋼耐食性に関する誤解払拭され、ステンレス鋼時代幕開けとなった

※この「ドイツでの基礎研究成果」の解説は、「ステンレス鋼の歴史」の解説の一部です。
「ドイツでの基礎研究成果」を含む「ステンレス鋼の歴史」の記事については、「ステンレス鋼の歴史」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「ドイツでの基礎研究成果」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ドイツでの基礎研究成果」の関連用語

ドイツでの基礎研究成果のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ドイツでの基礎研究成果のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのステンレス鋼の歴史 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS