耐食性向上
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/09 05:09 UTC 版)
耐食性向上などを目的に、以下のような表面処理が行われる。 電気めっき 電気めっきは、陽イオンとなる金属の溶液中に対象物を漬け、対象物に電圧を掛けて陰極とすることで表面に金属を析出させるめっき法である。亜鉛めっき、ニッケルめっき、クロムめっきなどが行われる。亜鉛めっきは安価でありよく使用される。亜鉛めっきはそのままでは亜鉛が酸化されやすいので、めっき後にクロム酸塩溶液中に浸してクロメート皮膜を作るクロメート処理が行われることが多いが、クロム酸塩溶液は人体や環境に有害な六価クロムを含むため、三価クロムのような代替法が開発されている。 無電解めっき 無電解めっきは電気めっきのように電気を流さずに、異種金属間のイオンカ傾向の差による還元反応を利用しためっき法である。析出される膜厚が比較的均一となり、プラスチックのような電気伝導性のない材料でもめっきできる。ニッケルめっき、スズめっき、金めっき、銀めっき、銅めっきなどがあり、ねじ部品ではニッケルを90-92%、燐を8-10%含むニッケルめっきがよく行われる。 アルマイト処理 アルマイト処理は陽極酸化皮膜処理とも呼ばれる。電気めっきとは逆に金属皮膜を付けたい材料を陽極にして金属皮膜を付ける。アルミニウムの表面処理に利用される。 黒染め 黒染めは、鉄の表面に四三酸化皮膜を作る処理である。カセイソーダに反応促進剤、染料などを溶かした水溶液を140℃程度に熱して鋼鉄材料を漬けて煮る。四三酸化皮膜は鉄の酸化皮膜であるが不動態でありそれ以上の酸化を防ぐ。コストは安いが皮膜の厚みが1ミクロン程度と薄く、めっきに比べると耐食性では劣る。
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