ティグレの母作戦
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/29 08:51 UTC 版)
詳細は「ティグレの母作戦(英語版)」を参照 2021年7月6日、ティグレ州政府は、アムハラ州の部隊に占領されたティグレ州西部を奪還するため、動員を開始した。さらにTDFは7月12日に攻撃を開始し、AlamataとKoremの町を含む、ティグレ州南部を制圧した。その後TDFはTekezé川を渡って西方へ進撃し、Tselemti地区のMai Tsebriを占領した。この時アムハラ州の当局は、民兵に対し動員令を発令した。TDFが急速に支配地域を拡大する中で、アビィ首相は「TPLFがこれ以上戦争を継続するならば、徹底的な報復を行う」旨を宣言した。『タイムズ』はこの宣言について、「ジェノサイドの恐れがある」と報じた。。首相はさらにエチオピアの他の州に対し、州の特殊部隊を動員するよう呼びかけた。この要請を受け、オロミア州、シダマ州、南部諸民族州が動員を行った。 TDFはさらにアファール州にも侵入し、これに対してベニシャングル・グムズ州、ガンベラ州、ハラリ州、ソマリ州がエチオピア政府側で参戦した。アファール西部での激しい戦闘により、54,000人以上が避難した。また、TDFはこの地域の3つの地区を占領したと報じられた。 ティグレ州政府はアファール州への侵攻について、ENDFの部隊の追撃のみを目的にしたものだと主張している。一方で専門家は、TDFの目的は、首都アディスアベバとジブチを結ぶ重要な交易路、国道A1号線を切断することだと考えている。これは、エチオピアが輸入する石油のほとんどがこの道路を通るためである。さらにTDFがアムハラ州の2つの地区を占領したことを受け、アムハラ州のトップAgegnehu Teshagerは、州内の武装している市民全てに対し動員令を発令した。また、同様の呼びかけがアファール州でも行われた。一方、Weldiya市はTDFに包囲され、8月12日に同市は占領された。 2021年8月4日、アガウ族の一部はアムハラ州からの独立を宣言し、アガウ解放戦線(ALF)を結成し、TDF側で参戦した。[要出典]その翌日、TDFはラリベラを占領する。8月9日、ユニセフの常務理事ヘンリエッタ・フォアは、アファール州の医療施設や学校で避難民の家族への攻撃が行われ、100人の子供を含む200人以上が殺害されたことについて、懸念を表明した。 8月11日、TDFとオロモ解放軍(OLA)は、アビィ・アハメド政権を打倒するための同盟を結成し、さらに「大連立」を確立するため、他の反政府勢力グループとの協議を進めていると発表した。TDFがアムハラ州への侵攻を進める中で、州内の多くの都市で夜間外出禁止令が発令された。 2021年9月9日、エチオピア政府はアファール州においてTDFの部隊を撃破し、大損害を与えたと主張した。これに対しTPLFのスポークスマンGetachew Redaは、アファール州にいたTDFの部隊はアムハラ州の前線に再配置されており、現地で戦闘は行われていないと主張している。9月30日、ティグレ州への人道支援を妨害してきたエチオピア政府は、現地の国連職員を「内政干渉」であるとして追放し、72時間以内の国外退去を求めた。
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