四十島(ターナー島)
名称: | 四十島(ターナー島) |
ふりがな: | しじゅうしま(たーなーとう) |
種別: | 名勝地関係 |
種別2: | |
都道府県: | 愛媛県 |
市区町村: | 松山市高浜1丁目 |
管理団体: | |
登録年月日: | 2007.02.06(平成19.02.06) |
登録基準: | 登-名3 |
追加登録年月日: | |
解説文: | 松山の中心市街地から約8km西北方の瀬戸内海上に当たり、四国本島と興居島との間の狭隘な海峡に浮かぶ四十島は、高さが18m、周囲約135mの大小3つの岩礁から成る島嶼群である。全体が風化の進んだ花崗閃緑岩から成り、中央及び北側の島には計24本のクロマツが叢生している。 四十島は、夏目漱石が明治39年(1906)に発表した小説『坊っちゃん』に「ターナー島」として登場することで有名である。小説には、主人公の「坊っちゃん」を伴って釣りに出かけた「赤シャツ」と「野だいこ」が、船上にてイギリスの風景画家ターナーの作風にこと寄せて四十島に叢生するクロマツの形姿を話題にし、四十島を「ターナー島」と命名する件を描く。こうして、四十島は広く「ターナー島」として知られるようになった。 四十島の周辺は四十島瀬戸とも呼ばれ、潮流が激しいことで知られる。明治42年(1909)に発行された『松山案内』において、高浜虚子が「四十島の落潮」を「高濱十勝」の一つに選じたほか、正岡子規も四十島に叢生するクロマツを「初汐や松に浪こす四十島」、「薫風や裸の上に松の影」などの俳句に詠んだ。 四十島のクロマツは昭和52年(1977)にマツクイムシにより枯死したが、その後、市民による植栽・育成の努力の結果、今日見る姿に再生された。 以上のように、四十島(ターナー島)は、地域に独特の自然的要素から成る風致に富んだ優秀な景趣を持ち、再現することが容易でない脆弱な性質をも備えた自然的な名勝地として貴重である。 |
四十島
(ターナー島 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/06 04:23 UTC 版)
四十島 | |
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2008年10月。後方は興居島
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所在地 | 日本(愛媛県) |
所在海域 | 瀬戸内海(伊予灘) |
座標 | 北緯33度52分43.6秒 東経132度41分48.4秒 / 北緯33.878778度 東経132.696778度座標: 北緯33度52分43.6秒 東経132度41分48.4秒 / 北緯33.878778度 東経132.696778度 |
面積 | 0.0001199 km² |
海岸線長 | 0.135 km |
最高標高 | 18 m |
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四十島(しじゅうしま)は瀬戸内海、松山市の高浜港の南約700m、黒岩と呼ばれる四国本島の岬から目と鼻の先、興居島の黒崎から四十島瀬戸と呼ばれる海峡を挟んだ位置にある、面積約0.0002km2(2006年の愛媛県の資料では1199平米)の小島。無人島。別名ターナー島(-とう)。 北緯33度52分43.6秒 東経132度41分48.4秒 / 北緯33.878778度 東経132.696778度(世界測地系参考値)。地番は、松山市高浜町一丁目乙115番地。 全体が花崗閃緑岩の3つの岩礁からなる島しょ群で、松(下記)以外に植生はほとんどなく、岩肌が露出している。 周辺海域は南北方向の海流が急。
松山港(松山観光港)に入出港する旅客船・フェリーからも目にすることができる。
正式には、四十島であるが、夏目漱石の小説『坊っちゃん』を特に意識する場合、「『坊っちゃん』に出てくる「ターナー島」といい、同小説では「青嶋」と登場する(新潮文庫版で43ページに登場)。
小説によると、「坊っちゃん」と一緒に船釣りに出た教頭「赤シャツ」がターナーの絵の様だと言い、「野だいこ」こと「野だ」が「ターナー島」と呼びましょうと応じたことに由来する。松は「ターナー松」とも呼ばれる。また、正岡子規も俳句に詠んでいる。
「島」というよりは「岩礁」群であり、漱石が松山に赴任していた頃は松で青々としていた模様だが、その後の松くい虫の被害などにより、1977年には松は全滅した。翌年から地元の元小学校教員の篤志家が松の植栽に取組み、台風の被害も受けたが、中央及び北の岩礁には2006年現在24本の松が根付いている。ただ、地質がもろく、波浪や海流の影響を受け、年々細っている。[要出典]
こうした活動が評価され、さらに継承していくため、2005年に所有権が愛媛県から松山市に移された。2006年11月には文化審議会により登録記念物とするよう答申され、2007年2月、国に登録された。[要出典]
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1990年頃。松が今より大きい
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2016年3月16日。経ケ森より
外部リンク
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