タンカー・ガーランドとは? わかりやすく解説

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タンカー・ガーランド

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/03 06:14 UTC 版)

M1ガーランド」の記事における「タンカー・ガーランド」の解説

M1ガーランド短小モデルとして試作されたM1E5およびT26は、戦車兵用を意味するタンカーTanker)の通称知られる。ただし、実際に小型火器求め空挺隊員や、ジャングル特殊な環境の中で戦う兵士要望もとづいて設計されと言われている。 1943年頃から各戦線にてM1ガーランドのカービンモデルを求める声が上がり始め1944年1月には第93歩兵師団にて試作された短小銃の性能試験が行われ、その結果受けてスプリングフィールド造兵廠にて短小銃の開発始まった数ヶ月後に設計されたM1E5は24インチから18インチまで短縮した短銃身、開発者ガーランド提案した金属製折畳式銃床備えていた。その後性能試験受けて折畳式ピストルグリップ追加された。短銃身化による射撃精度への直接影響少なかったものの、大きな銃声発砲炎、反動問題視され新たなマズルブレーキ設計する必要があるとされたほか、銃床強度構えやすさに問題があるとされた。結局並行して開発されていたT20ライフル人員集中させるため、M1E5の計画放棄された。M1E5は1丁のみがテスト用に製造された。 同年秋、太平洋戦線委員会Pacific Warfare Board, PWB)の指令により、少数M1ガーランド短小銃に改造された。この際改造各部隊にて手作業行われた太平洋戦線ではジャングル戦場となることも多くM1カービンよりも強力で「ブラッシュ・カッティング」(brush cutting, 生い茂った草木安定して貫通する能力)に優れた短小銃が求められていたのである。これらは第6軍指揮下の部隊や第503落下傘歩兵連隊英語版)に配備され戦線各地にて実戦試験が行われた。その後PWB試験結果と共に改造短小銃をサンプルとして本国送り本格的な短小銃の設計を行うよう求めた。これを受けたスプリングフィールド造兵廠開発したT26は、固定銃床備えるほかはM1E5とほとんど同一設計だった。問題点変わらず銃声発砲炎、反動M1ガーランド比べて非常に大きかった。2丁のT261945年7月試作され、その後15,000丁が製造される予定だったが、8月には日本降伏して太平洋戦争終結したため、計画そのもの放棄された。PWBM1ガーランド150丁の改造命じていたものの、本国からの評価連絡を待つ必要があったため、計画放棄までに完了はしていなかったと見られ現存品少ない。 結局、M1E5およびT26極めて少数しか製造されなかったが、M1ガーランドのカービンモデルというアイデアは、後に民生用銃器市場ることになる。1960年代初頭一部民間事業者放出され軍用銃余剰部品溶断された部品を含む)の取り扱い着手した。その中の1人ロバート・E・ペニー・ジュニア(Robert E. Penney, Jr.)は、入手した余剰部品加え復元した溶断部品用い民間市場向けにM1ガーランド中心とするライフル販売開始した。そしてかつて試作された短小銃の存在知っていたペニーは、新製品としてこれを模したライフル作り戦車兵短小銃という印象与えるタンカー・ガーランド(Tanker Garand)なるニックネーム与えたのである当時民間人にとって本物M1ガーランド入手極めて困難だったので、タンカーを含む復元銃の売れ行き好調だった部品新造には膨大な費用がかかるため、余剰部品のの枯渇と共にペニー復元銃の販売中止して会社売却した。しかし、他の企業等でも類似製品製造が行われており、短小化されM1ガーランドを指すタンカーという誤ったニックネーム広まっていった。

※この「タンカー・ガーランド」の解説は、「M1ガーランド」の解説の一部です。
「タンカー・ガーランド」を含む「M1ガーランド」の記事については、「M1ガーランド」の概要を参照ください。

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