タイタンII用ASC-15
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/22 01:11 UTC 版)
「ASC-15」の記事における「タイタンII用ASC-15」の解説
タイタンIIの最初の慣性誘導装置は、AC Spark Plug(英語版)社が製作したもので、MITのドレイパー研究所の設計に基づいた慣性計測装置と、ニューヨーク州オウェゴのIBMによって設計および製作されたコンピュータASC-15で構成されていた。この装置を搭載した最初のタイタンIIミサイルは、1962年3月16日に打ち上げられた。この装置のスペアの入手が困難になったため、空軍は新しい装置に置き換えることを決定した。ASC-15を含むAC Spark Plug社の装置は、1978年1月から運用中のタイタンIIミサイルでデルコ・エレクトロニクス社のUniversal Space Guidance System(英語版)(USGS)に置き換えられた。USGSの誘導コンピュータはデルコ社製のMagic 352を用いた。 ASC-15は、約45×45×30 cm(約1.5×1.5×1フィート)のアルミフレームの上に構築されていた。側面、上面、底面は、金メッキされたアルミホイルで覆われたラミネート加工のプラスチックでカバーされていた。このカバーはわずかに凸状で、剛性を高めるためにリブが付けられた。カバーの中には52本のロジックスティックが収まっていて、それぞれに4つの溶接封止モジュールが収まっていた。これらは、ドラムメモリを収納するベルフレームを囲むように配置されていた。図2を参照。 ドラムは、長さ7.6 cm(3インチ)、直径11.4 cm(4.5インチ)の薄肉ステンレス鋼製の円筒で、磁性ニッケル-コバルト合金でコーティングされたものである。これを同期モーターで6,000回転/毎分で駆動した。ドラムには70本のトラックがあり、そのうち58本が使用され、12本が予備であった。これらのトラックは次のように使用された。 トラック番号トラックの用途34 命令トラック 7 定数 8 標的データ 2 一時保存用データ 5 超高速アクセスストレージ用リボルバー 2 タイミングトラック 1本のトラックの容量は1,728ビットである。命令ワードは9ビット長で、データは27ビットワードで格納されていた。 58本のトラックに合致して、67個の読み取りヘッドと13個の書き込みヘッドが備わっていた。ドラムが6,000 rpm(回転/分)で回転している間、ヘッドは薄い空気の層をはさんでドラム表面の上に浮上していた。ドラム回転が加速または減速しているときには、磁気面に傷がつかないように、ドラム筐体の上部のモーターによって駆動されるチェーンで回転するカムシャフトによって、ヘッドはドラムから持ち上げられた。図3を参照。
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