セミワークスとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 工学 > 大車林 > セミワークスの意味・解説 

セミワークス

英語 semi-works

カーメーカーが直接資源投入して運営するレースチームをワークスと呼ぶが、ワークス準ずる位置づけとして、カーメーカーが資金部品供給などで有形無形援助行っているチームをセミワークスと呼ぶ。多く場合プライベートチームで、有力なドライバーがいて、ワークスに次ぐ成績をあげる実力をもつチームに、メーカーから声をかけるケースが多い。

※「大車林」の内容は、発行日である2004年時点の情報となっております。

セミワークス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/22 13:28 UTC 版)

セミワークスは、モータースポーツにおいてプライベーター(個人参加者)でありながらワークス・チーム用のマシンやドライバーを供与してもらっているチームの俗称。海外ではSemi-Factory(セミファクトリー)という呼び方も見受けられる。

純粋なプライベーター(個人参加者)とワークスの中間ということからこう呼ぶ。同一カテゴリに同じメーカーのワークス・チームがいる場合のセミワークスは、衛星(サテライト)的な存在に当たる点から、サテライトチームとも呼ばれる。

概要

ワークス参戦を目論むメーカーが、コスト・戦闘力・宣伝効果などの面から考えて、1からワークスチームを組織する必要がないと判断した場合に用いられる組織手法である。またプライベーター向けのレースカテゴリ(GT3TCRなど)でメーカー直系のワークスチームが参戦することが憚られる場合、セミワークス参戦は常套手段である。

メーカー側からすれば初期投資・継続参戦の費用が安い割に、プライベーターのそのカテゴリにおける参戦ノウハウを活用できて一定の戦闘力も見込め、さらに撤退時のコストも低減できる[1]という、コストパフォーマンスに優れた手法である。プライベーターによっては、メーカーが支援を打ち切った後もそのメーカーの車両での参戦を続けて、タイトルを獲得してくれる場合もある(例:WRCフォードMスポーツWTCCシボレーRML)。逆にプライベーター側からすれば、資金・人材・技術・知名度向上などの面で様々なメリットがあるため、win-winの関係になりやすい参戦形態といえる。

一方でメーカーがチームを100%掌握できるわけではないため、両者の意見の相違による組織的紛糾や決別もしばし起きる(例:WRCのヒョンデとMSD、Miniプロドライブ)。メーカーは景気や株主の意向に振り回されて参戦・撤退の決断をたやすく翻すため、立場の弱いプライベーターにとっては気を揉むところである。

セミワークスはチームにプライベーターとしての側面も残すため、2台目や他クラスではワークス支援を受けている会社とは関係のないブランドの車種を自由に用いている場合も多い。

メーカーの関与の仕方は様々で、技術的支援に徹してマシン開発はプライベーターに行ってもらう場合、マシン開発も技術的支援も行う場合、それに加えてメーカーのドライバーを貸す場合、逆に資金援助のみを行う場合など、多くのパターンがある。ちなみにメーカーがワークス支援していることを公には認めていないプライベーターを「隠れワークス」と呼ぶことがある。

かつてロードレース世界選手権のMotoGPクラスにおいて、参戦1年目のライダーはサテライトチームからしか参戦できないというレギュレーションが存在していたため、ルーキーライダーはまずサテライトチームで結果を出してワークスチームへというステップを踏むことになっていた(2013年からこのルールは撤廃されている)。

ワークスチームとの違い

ワークスチーム(フルワークス)とセミワークスの境界線は非常に曖昧である。これはメーカーのレースプログラムをプライベーターがオペレーションするという、一見するとセミワークスの形態であっても、フルワークスとして扱う場合があるためである。

例えばフォーミュラEにおいてアウディは技術供与・パワートレイン供給、ドライバー貸与の形で2016-2017年まで「アプト・シェフラー・アウディ・スポーツ」の名でセミワークス参戦していたが、翌シーズンにワークス参戦することを発表した時、チーム名を「アウディ・スポーツ・アプト・シェフラー」に変更した[2]。どちらもアウディの活動をチーム・アプトがオペレーションするという形態は変わっていないまま、セミワークスからワークスチームへ変更すると宣言されており、よりメーカーが支配的になったとは推察できるものの、実態の具体的な変化については謎が多い。

グループGT3カテゴリでは、メーカー直接の活動ができないことから、プライベーターチームにメーカーからスタッフやワークスドライバーが「技術支援」の名目で送り込まれることが半ば常態化してきており、セミワークスとプライベーターの区別も曖昧になってきている。こうした参戦形態の区別は内情が露呈されたり、メーカーが公に参戦形態を認めたりしないと正確には判別できないことがほとんどである。

ただ一つ判別する方法があるとすると、ヨースト・アウディやMスポーツフォードのようにエントラント名の中でプライベーター名が先にくる場合はセミワークス、アウディ・ヨーストやフォード・Mスポーツのようにメーカー名が頭の場合はフルワークスであるという見方がある。しかし2010年辺りからはワークスやメーカー支援によらず「メーカー名 Team 運営チーム(例:Mercedes-AMG Team Getspeed)」で統一されることが多くなり、さらにはWECにおいてフェラーリのワークスとして扱われていたAFコルセのように、メーカー名を出さない場合も存在する。そのため名前での判別も実質不能になってきたといえる。


主なセミワークスチーム

四輪

※括弧つきは元セミワークス。

二輪

脚注

  1. ^ チーム解散に伴う設備・施設の処分や従業員の異動・解雇などの必要がない
  2. ^ [1]

セミワークス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 08:56 UTC 版)

自動車競技」の記事における「セミワークス」の解説

「セミワークス」も参照 市販車メーカー支援するプライベーターのこと。市販車メーカーマシン所属ドライバー技術スタッフ資金などをプライベーター送りこんで支援する市販車メーカー側純粋なワークス体制比べて初期投資継続参戦コスト大幅に軽減でき、プライベーター側も自動車製造会社からのさまざまな恩恵によって運営資金軽減しつつ高い戦闘力を得ることが可能となる。また運営が「ワークスチーム参戦禁止」を謳うカテゴリでも、プライベーター支援」という体裁主張してかいくぐることが多く場合可能である。 総じてコストパフォーマンス優れているため、純粋なワークス体制よりも多く見られる参戦形態である。 短所としては、両者運営方針違い温度差制限発生する点である。それぞれにノウハウ主義などの要素交錯するために、効果副作用ワークスプライベーター中間的な位置付けになってしまう傾向がある。市販車メーカー本腰を入れる場合はそのデメリット回避するため、多額資金引き換えに完全にプライベーター側を支配する形で「ワークス化」することもある。

※この「セミワークス」の解説は、「自動車競技」の解説の一部です。
「セミワークス」を含む「自動車競技」の記事については、「自動車競技」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「セミワークス」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「セミワークス」の関連用語

セミワークスのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



セミワークスのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
三栄書房三栄書房
Copyright c San-eishobo Publishing Co.,Ltd.All Rights Reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのセミワークス (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの自動車競技 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS