スイムフィン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/01 23:51 UTC 版)
詳細は「フィン」を参照 ダイビング(潜水)やシュノーケリングをする者の多くが用いる道具に、鯨類(クジラ目動物)や鰭脚類が脚部に具える上下運動型のフリッパー (cf. en) に酷似した、足元に装着するフリッパー状のものがある。これを英語では "swimfin(s)"、"swim fin(s)"、"fin(s)"、"flipper(s)" などという。日本語では、英語名の音写形である「スイムフィン」「フィン」「フリッパー」のほか、古くからの名称(※これも外国語名の漢訳語か)「足鰭/足ひれ」が用いられる。脚は人体の部位のなかで最も大きな運動力を生み出せるが、その力(脚力)の一つである陸上で前に進む力を水中における上下運動に置き換え、水中での前方への推力に変換するのがスイムフィンであり、水域(水中や水面下)での移動を劇的に効率化できる。 スイムフィンには、2本で構成されるヒトの脚に合わせて靴と同じように独立した2本が1セットになっているタイプと、鯨類のフリッパーのように(あるいは、西洋タイプの人魚の尾鰭のように)1枚の大きな面で水を捉えるタイプがあり、1949年に遅れて開発されてきた後者を「モノフィン(英: monofin)」と呼ぶ一方で、以前からあった前者を「従来型フィン」の意味合いをもって「ステレオフィン(英: stereo-fins)」と呼んだり、「ビーフィン(英: Bi-fins, BF)」と呼ぶようになった。 詳細は「モノフィン」を参照 スイムフィンを足に装着する際に足を入れる部分を「フットポケット(英: foot pocket(s))」というが、これを基準にする場合は、以下の2種類に分類することができる。 オープンヒールフィン(英: open-heel fin(s)) 「ストラップフィン」ともいう。踵(かかと)の部分をストラップで留めるタイプ。踵と部分の皮膚との摩擦を防ぐため、マリンブーツを着用の後、装着する。大まかなサイズ設定はあるがストラップの調整が利くのでサイズの融通性が高い。ストラップに一般的なゴムバンドではなく、ステンレススプリングを用いたタイプは装着後の調整は不可能だが、サイズ(長さ)が適切なら利便性、耐久性及び快適性に優れる。 フルフットフィン(英: full-foot fin) フットポケットが踵の部分までを覆っている。素足に装着するダイバーが多いが、薄手のフルフットフィン専用ブーツも各種市販されている。 デリケートな踝(くるぶし)周りを保護するため、また、フィン擦れを防止するために専用ブーツや専用ソックス(※薄手のものが理想)の着用が望ましい。サイズの微調整は一切できず、一般の靴のような細かいサイズ設定があるわけではないので、ぴったり合わせるためには若干の工夫が必要である。フルフットフィン専用ブーツや専用ソックス、なかには磯足袋(いそたび)などを履いているダイバーもいるが、それらは身体の保温・保護のためであると同時にフィンに足を合わせるための道具でもある。 フィンの硬さや長さ、素材などにより、様々な種類が発売されている。一般に、硬質素材で作られた大型のもののほうが脚力を推力に変換する効率がよく、かつ、大きな最大推力を出せるとされているが、その反面、強い脚力がなければ効率の良いフィンキックを行えない。作業潜水において重量物を運搬する場合には軟らかいフィンでは必要な推力を得ることができず、反対にレクリエーショナルダイビングにおいて体力に合わない硬いフィンを使用すれば体力を無駄に消耗することになる。このようなことから、自分の脚力とダイビングスタイルに合ったものを選ぶことが重要とされている。ウェットスーツ着用時とドライスーツ着用時では、ブーツの大きさの関係でフィンの共用が困難であることも多い。また、中級以上のダイバーともなれば、潜るポイントに応じて適切と思われるフィンを使い分けることもごく普通である。
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