シーテッド・リバティ(1837年 - 1891年)
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「10セント硬貨 (アメリカ合衆国)」の記事における「シーテッド・リバティ(1837年 - 1891年)」の解説
19世紀末期にかけ、クリスチャン・ゴブレヒトによるシーテッド・リバティ・ダイム (Seated Liberty dime) の表側のデザインは、当時のアメリカ合衆国内で流通する全ての硬貨に描かれていた。造幣局のロバート・マスケル・パターソンは、イギリスの硬貨にも見られたブリタニアを思い起こさせるような、新しい硬貨のデザインを依頼していた。そこで硬貨の主任彫刻家であったウィリアム・ニースが原案となるスケッチを描いたが、描写に苦心し硬貨の金型を準備するにはやや難しくなった。そこで当時第2彫刻家の地位に就いたゴブレヒトへ、この仕事が課されたのである。 表側のデザインは、ドレスに身を包み杖を持った女神が、岩に座っている絵である。彼女の右手には、「LIBERTY」の刻印がある盾が置かれている。裏側には花冠に囲まれた「ONE DIME」の刻印が描かれている。全てのシーテッド・リバティ・ダイムは、90%の銀と10%の銅を含んでおり、直径は17.9mm (0.705 in) である。この大きさと金属の構成は、流通するダイム硬貨から銀が取り除かれる1965年まで続いた。 このダイムには種類が幾つかある。初期(1837年)の表側のデザインには、星が描かれていなかった。13植民地を表す13個の星が表側の周囲に加えられたのは1838年のことである。1860年代中頃に、これら星の絵は元々裏側にあった「United States of America」の銘に置き換えられた。同時に、裏側の花冠はトウモロコシや小麦、カエデ、オークの葉でできた花冠へと変更され、縁の近くまで拡げて描かれるようになった。この裏側のデザインは、製造が終わる1891年まで続けて使用され、1892年にバーバー・ダイムが登場して少し変更が加えられた。またもう一つ、1838年 - 1840年のダイムは、女神の左ひじの下に垂れ下がっているはずの掛け布が無い状態で製造された種類がある。 製造年の表示の両端に矢印がついている1853年と1873年のダイムは、硬貨の重量に変更があったことを示している。1853年の硬貨は2.67gから2.49gへ、そして1873年にはそこから2.5gへと変更された。最初の変更は銀の価格高騰を受けて行われたものだが、一方後者は1873年の造幣法によってもたらされたものである。この法律では、アメリカ合衆国の通貨を世界に通用するものにする試みで、当時のフランスの5フラン硬貨と重量比を一定にするため、10セント硬貨、25セント硬貨、50セント硬貨に少量の質量を加えることが盛り込まれていた。
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