シリーズ1の成功
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/06 22:23 UTC 版)
「ボルボ・トラックス」の記事における「シリーズ1の成功」の解説
ボルボは1926年後半に創業を開始し、1927年4月に開始された自動車生産に対し準備を行っている。また、スウェーデンでは自国製の自動車に対する需要が少ないことが判明している。1926年12月、現在では中型トラックとなる「シリーズ1」の設計が始まっており、1928年2月に完成車第一号がスウェーデンのヨーテボリ工場から出荷されている。なお、この初期段階に於いて乗用車の生産も開始されており、トラックと同じ組立ラインにて生産が行われている。 ボルボ製の需要が少ないにも関わらず、シリーズ1型が発売されると瞬く間に完売し商業的成功を収めている。当初の計画では、500基の4気筒エンジンを搭載したシリーズ1型を生産し、後、より強力な6気筒エンジンを搭載したトラックを投入する予定であった。しかし、初期生産分である500台のトラックが即完売したことで、2年後に第二弾である「シリーズ2」が計画され、500台の製造が開始されている。 シリーズ1型は、エンジンは軽快であったものの、出力は僅か28馬力であり、4気筒のガソリンエンジンが採用されている。メーカーが定めた最大積載量は1,500kg(車両総重量の半分)に制限されていたが、基本設計が非常に堅牢であったため、最大積載量の2倍である3tまで荷が積み込まれた状態で頻繁に使用されている。制限速度は40km/hから50km/hに制限しており、3速式のギアボックスが搭載されている。 シリーズ1型の製造はボルボにとって初めての試みであり、市場調査の結果もあり控えめな計画で開始されたが、頑丈で簡素なデザインも相俟って、当初の期待を遥かに超える成功を収めている。この時代、多くのトラック製造メーカーは基礎となるシャーシやキャビンも含めた開発と製造を行っているが、ボルボでは対照的に独自設計したエンジンとギアのみを出荷しており、基礎となる車体(シャーシ)とキャビンは車体メーカーであるオートヴィーダベリ(英語版)(Åtvidaberg)に発注し、納品前に自社工場で組み立てる方式が採られている。なおこのタイプの殆どが、キャビンが無い状態で納品されている。大半の顧客は地元キャブメーカーに独自仕様のキャブを発注し、これを搭載している。また、今日に於いても大半のシリーズ1型が現存していることからその高品質、堅牢さが伺える。
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