シリーズ2 4.2リットル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/24 12:09 UTC 版)
「ジャガー・Eタイプ」の記事における「シリーズ2 4.2リットル」の解説
1968年10月にEタイプはシリーズ2へと進化した。外観の変更は主にアメリカ連邦安全基準に合わせたためだったが、機能上の問題から変更された部分もあった。現在デザイン面においてあまり人気がないことは否めないが、しかし最も実用に耐えるEタイプである。変更点は多岐にわたり、シリーズ1に存在した様々な欠点が払拭されている。 このモデルチェンジで最も目立つ変更点は灯火類である。前照灯のカバーはシリーズ1½と同様取り去られ、明度を確保するために前照灯ユニット自体が前進した。前照灯ユニットの上からボンネットに沿ってクロームメッキのラインが追加されている。フロントの方向指示器およびリアのブレーキランプと方向指示器はそれぞれバンパーの下へと場所を移し、それぞれ大型化された。 ボディ関係ではバンパーの形状および位置が見直された。リア、フロントともに大型化され、リアバンパーは位置が上げられた。フロントバンパーの中央部、ラジエーターグリルの前には1本太いバーが通され、ジャガーのマークはその上に移動された。ラジエーターグリル自体も大型化され、冷却効率が上がった。特徴的であった3本のワイパーは一般的な2本に改められた。 ブレーキはロッキード製からガーリング製に変えられ、制動力が飛躍的に上がった。ホイールのスピンナーの耳は、シリーズ1½と同様、歩行者を引っ掛けないようにという目的からなくなり、ホイールを外すときにはアダプターが必要になった。 内装においてはシートがリクライニングになり、ヘッドレストがオプションで選べるようになった。スイッチ類はシリーズ1½で採用となったロッカー式が引き続き採用された。 エンジンはシリーズ1から引き続き使われた直列6気筒の4,235ccであるが、シリーズ1½で触れたようにエンジンのカムカバーが美しいポリッシュ仕上げではなくなり、黒とシルバーに塗装されたものへと換えられた。ヨーロッパ仕様はSUの3連キャブレターを採用していたが、アメリカ仕様では排気ガス規制への対策からゼニス・ストロンバーグ製キャブレター2基を搭載することを余儀なくされ、パフォーマンスはかなり低下した。一方ラジエーターは容量がアップし、オーバーヒートの心配がなくなった。特に暑い国ではラジエーターグリルの大型化とあいまってかなり信頼性が向上した。トランスミッションもシリーズ1の4,235ccと同様である。 ボディータイプは引き続きロードスター、クーペ、2+2の3種から選べた。2+2はフロントガラスの形状が見直され、傾斜がかなり強まった。
※この「シリーズ2 4.2リットル」の解説は、「ジャガー・Eタイプ」の解説の一部です。
「シリーズ2 4.2リットル」を含む「ジャガー・Eタイプ」の記事については、「ジャガー・Eタイプ」の概要を参照ください。
- シリーズ2 4.2リットルのページへのリンク