システム詳細
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/27 07:56 UTC 版)
アリーナのシステムは主にRPGや対戦車ミサイル、あるいはもっと長射程の新しい対戦車ミサイルのような脅威に対抗するよう設計された。アクティブ防護システムは、歩兵の携行するロケット発射器と、ヘリコプターから放たれるミサイルの両方に対応して防御できる。これらは車輌を直撃するか、トップアタックのためにもっと上空を飛翔する。現代のRPGは、ほぼ1mほどの鋼板装甲を貫通でき、非対称戦争という状況下では戦車の運用にとって深刻な脅威になるという難問を提出している。この結果、戦車の防護能力向上の要求によって装甲厚と重量が増加されるか、もしくは代替としてアリーナのようなアクティブ防護システムが使用される。 本装置は、戦車長によってオン・オフ切り替え可能な多機能ドップラー・レーダーを採用している。デジタルコンピューターはレーダーからの入力と連動し、脅威について戦車の周りを円弧状に捜索する。また、戦車に装備された26個の即応投射体のうち、飛来する脅威の迎撃のためにどれを撃ち出すか評価する。脅威の迎撃のために投射体の使用を選んだ際、弾道コンピューターがレーダーで処理されている情報、たとえば飛行のパラメーターや速度を用いる。コンピューターの反応時間は0.05秒かかり、戦車の外周を300度以上の円弧状にわたって防御するが、これは装置の背後以外の全ての場所に及んでいる。システムは防護車輌から50m以内で目標と交戦でき、また、弾薬は脅威から約1.5m以内で炸裂する。本装置は、70-700m/sの速さに渡って戦車に接近するどんな脅威とも交戦し、かつ、車輌から離れる鳥のような飛翔物や小口径銃弾などの偽の目標を識別できる。アリーナは昼夜ともに作動し、また、電磁的な妨害機能を持たないため、部隊として複数の車輌がシステムを利用可能である。27ボルトのシステムは約1キロワットの電力を必要とするほか、重量は約1,100kgである。アリーナは、RPGに対する戦車の生残性を1.5-2倍ほど増強する。 シュトーラはソフトキルシステムであり、ジャミングによって対戦車ミサイルの誘導システムに受動的に対抗するよう設計されていた。対照的に、アリーナはドローストのようなハードキルシステムであり、防護された車輌へとミサイルが到達する以前に、弾薬を用いて弾頭を破壊するよう設計されている。
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