システムの売り込み
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/16 19:12 UTC 版)
「タイ高速鉄道計画」の記事における「システムの売り込み」の解説
現在、日本、中国、韓国などの外国企業による高速鉄道システムの売込みが行われている。タイ運輸省次官によると、日本はバンコク‐チェンマイルートとバンコク‐ラヨーンルートの投資に興味を示しており、合計800kmへの2300億バーツ規模の投資で50年間大きな事故もなく運営されている新幹線を持つ日本の高水準の高速鉄道技術を利用できるとしているという。また国土交通省国土計画局『平成19年度諸外国の国土政策分析調査(その3) - タイの国土政策事情‐報告書』によると、旅客流動と支払能力の予測から、最優先ルートはバンコク - ラヨーン間ルート、実現可能ルートとしてバンコク - ナコーンラーチャーシーマー間ルート、スワンナプーム国際空港 - バンコク - フアヒン間ルートを挙げている。2012年5月3日在タイ日本国大使館によると日本側は調査を終え、バンコク - チェンマイ間及びバンコク - ラヨーン間の高速鉄道構想の案件形成に関する調査(プレ・フィージビリティ・スタディ)報告書をタイ王国運輸省に提出した。6月15日には、チャチャート副運輸相と日本の国土交通省高官との会談が行われ、その会談後に2012年末に事業仕様書の取りまとめ、2013年初めに国際入札が行われることが確認された。日本には、1.運行速度制御、運行などの技術、2.債務問題などを含めた運用組織改編整備ノウハウ、3.事業費の財務の3分野での協力を求めて行きたいとの意向を表明している。 中華人民共和国(中国)はバンコク - ノンカーイルート、バンコク - フアヒン - パダン・バザールルートへの投資に興味を示している。2009年6月アピシット首相と中国胡錦濤首相との会見により、南中国とタイと間の経済開発協力の合意が形成されると、高速鉄道計画におけるタイ中の結びつきは強まり、2009年11月には議会により中国企業との高速鉄道開発計画が決定した。これにより中国は昆明からラオスを通過しノンカーイへ出て、バンコクへ向うルートを2015年までに構築することを計画している。しかし、インラック政権になってから、建設計画の見直しが行われている。2012年中国はバンコク - チェンマイルートとバンコク - ノンカーイの2ルートへの興味を示しており、フィージビリティ調査を行った。。現在行われているチェンマイルートのフィージビリティ調査概要の要点は、まず居住地を避け、また洪水被害から線路を守るために全線の87%を高架とすること。次に建設路線を二区間に分け、バンコク - ピッサヌロークまでを既存線を活用し、ピッサヌローク(ウッタラディット) - チェンマイ間は、住宅密集地を抜けるため土地収用が難しく新しいルートを建設することと見られる。またパイロット事業として、バンコクからアユタヤ県パーチー郡バーンパーチー駅までの整備を計画している。2012年10月19日調査終了、報告書が提出された。 韓国もタイ高速鉄道の入札に意欲を持っており、フランス国鉄の技術を基礎とする韓国高速鉄道の導入を目指している。 タイでの鉄道事業を多く行っているドイツ企業シーメンスは、タイ運輸省からバンコク - ラヨーンルートへの入札を誘われているが、入札に関する直接的な言及を避けている状況にある。
※この「システムの売り込み」の解説は、「タイ高速鉄道計画」の解説の一部です。
「システムの売り込み」を含む「タイ高速鉄道計画」の記事については、「タイ高速鉄道計画」の概要を参照ください。
- システムの売り込みのページへのリンク