ゲームエミュレータの問題点と逮捕者
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 05:27 UTC 版)
「エミュレータ (コンピュータ)」の記事における「ゲームエミュレータの問題点と逮捕者」の解説
ゲームエミュレータにおけるこうした問題で一番重要とされているものは、ROMやBIOSイメージの入手方法である。現存しているROMやBIOSデータは「ほとんどがインターネット上へのアップロードやCD-R等の記憶媒体経由で第三者に譲渡・頒布されたものであって明らかに違法なものである」と考えられているため、著作権者および関連団体はこれを問題視している。 ゲームエミュレータが持つ役割は、入手が困難な古いゲームソフトをプレーするという面が強かったが、最新のゲーム機のエミュレータも多い。コピーしたソフトが実機を必要としない為、最新のゲームソフトが発売日前に流出するという事態も珍しいことではなくなった。これは、コンピュータの高性能化やインターネットの高速化、改造をゲーム機本体に直接加える事などにより引き起こされた問題である。 日本においては、譲渡・頒布など、提供する側を罰する法律はあり、時折検挙者も見られる。しかし、受け取る側に関しては、著作権法は親告罪であることから、ダウンロードの利用に関しては、拡大解釈してグレーゾーンあるいは合法と吹聴する者もいるが、あまりに悪質な場合は警察が独自に捜査を行う場合もあるため、明らかに誤った認識である。また、違法ダウンロードの刑事罰化が施行済みである。 自分の持っているソフトウェアならば、ダウンロードは法律で認められている、などと記述するサイトもあるが、理論上はアップロードされているデータは他人が複製したものであり、自身が複製した物ではない。このため、たとえ電子的には同じ情報であっても、著作権法の私的複製には該当せず、法的には全く根拠はない。 また、家庭内での私的利用の範疇における複製は著作権法で認められているので、これに基づいた考え方の「自分が所有しているソフトウエアやハードウエアから直接の複製を行う場合は合法である」という考えは一般的である。ただしコピープロテクトを破って複製するなど、著作権法(99年改正など)の「技術的保護手段(の回避)」に関する項に触れる場合は違法である。現在不正競争防止法の見直しが検討中である。 加えて、契約でコピーを禁止していれば、そのソフトをコピーすることは原則禁止となる。これに違反してソフトウェアを無理やりコピーすれば、契約不履行である。それでも、本来ならば利用することができなくなったそのソフトを無理に使用したら、前述のように、契約の問題で販売元は法的手段に訴えることが可能であり、訴えられる可能性がある。 また「ゲームソフトのデータを配布するサイトを具体的に紹介するサイト」というのも、法的には極めて黒に近いグレーゾーンである。ゲームソフトを配布しているサイトを不特定多数に紹介することで違法行為を教唆していると解釈することも可能である。 こうした情報を目の当たりにして違法性を認識しつつ使用した場合、著作権侵害となり刑事罰などが科せられるというのが著作権法上の解釈である。
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