クロハ69形の復元
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/19 01:35 UTC 版)
「国鉄51系電車」の記事における「クロハ69形の復元」の解説
京阪神緩行線の二等車は、連合軍用の「白帯車」の流れを受けて、1951年11月から旧白帯室部分を仮整備した形で運行されていた。この仮クロハを整備して2等利用者に良質のサービスを提供するため、1952年から1953年にかけて、東鉄に転属していた69001, 69002を呼び戻すとともに、旧クロハ69形の55097 - 55105に対して、クロハ69形への復元改造を69001, 69002の整備と併せて実施した。工事内容は、単なる復元の枠を超えて、ローズグレー塗りつぶしの車内やエンジ色のモケット地、一部の車両(69007, 69009)での蛍光灯の採用など、当時の花形であった特別二等車(特ロ)に近づけた意欲的なものとなっており、担当者が「電車の特ロ」と自負するものであった(但し本家の「特ロ」とは異なりリクライニングシートではない)。改番は以下のとおりであるが、クハ55形時代の番号順のままクロハ69形に改番されたために、張り上げ屋根車が一括して後ろに回されており、戦前と同一の車番に復帰したのは1両(69003)のみである。また、一部は全室三等車への整備を1953年の車両形式称号規程改正前に施行されていたため、その際に一旦クハ68形に編入されており、その後に改めてクロハ69形への復元整備を施行、改番された。55102については、68111への改番が予定されていたが、工場入場中であったため、クハ68形への改番を経ることなく、69008となった。 69003[II] ← 55097 ← 69003 69004[II] ← 55098 ← 69008 69005[II] ← 55099 ← 69009 69006[II] ← 68107 ← 55100[II] ← 69010 69007[II] ← 68109 ← 55101[II] ← 69011 69008[II] ← (68111) ← 55102[II] ← 69004 69009[II] ← 68113 ← 55103[II] ← 69005 69010[II] ← 55104[II] ← 69006 69011[II] ← 55105[II] ← 69007 本節の趣旨とはやや外れるが、クハ55097は1952年3月1日に明石電車区内で焼失したが、1953年5月28日に吹田工場で、前面部分を残して車体を新製のうえ復旧、同時に二等室を整備してクロハ69003となった。その際、車体は全溶接で製作され、屋根上の通風器はガーランド形1列の異端車となったが、後の更新修繕IIにより他車とほとんど変わらない外観となった。
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