クリミナル・ジャスティス法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/30 09:10 UTC 版)
「レイブ (音楽)」の記事における「クリミナル・ジャスティス法」の解説
しかし、その大きな要素の一つであったドラッグの広範囲な使用や社会不安の原因となるといった観点から、政府や警察はレイヴを危険視し、強力に取り締まることとなる。また、レイヴが巨大化して参加者が増えるにつれ、商業目的として多額の参加料を徴収するレイヴが出現し、巨額の利益を上げるようになっていく。やがて、ブームの沈静化とレイヴを取り締まる法案は提出された。それが「クリミナル・ジャスティス・ビル」であり、当初は法案(Bill)として提出され、のちに法制(Act)化されたイギリスのen:Criminal Justice and Public Order Act 1994である。これはジョン・メージャー内閣の内相マイケル・ハワードによって立案され、第5部において「反復するビート(repetitive beats)」に対する規制を定めた。この法案に対しては、約10万人の大規模な反対デモも実施された。やがて、レイヴカルチャーの象徴である巨大な野外での違法レイヴはその数を減らし、それに代わって警察の認可下にて巨大な会場で有名なDJやダンス系のバンドを集めて行われる、合法的なレイヴが主体となっていった。また、非商業・音楽志向のレイヴのDJやクラバーは、その活動場所をクラブへ移していくこととなる。 しかしながら規模は小さくなったものの、アンダーグラウンドのフリー・パーティーやウェアハウス・パーティーも未だに世界各国で開催され続けており、クラブ音楽の重要な側面として存在している。また、1990年代終盤からのトランス音楽の流行に伴い、再び一部の地域でレイヴが盛んになってきているほか、ドイツのベルリンのように市当局が観光振興のために多くのスポンサーから協力を得て、商業的ながらも無料の巨大なレイヴ「ラブパレード」を開催しているような例もある。こうした体制に取り込まれる動きや商業目的のレイヴには、かつての非商業的でDIY精神に溢れていたアナーキーなレイヴを知る人間からは批判も多い。 現在において、レイヴ・パーティーの定義はその国や人によって多様である。いわゆる違法のフリーパーティーやウェアハウス・パーティーのみをレイヴと呼ぶ者もいれば、WIREのような大規模なコンサート形式のものを含めてレイヴと呼ぶ者もいる。
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