ガルバーニ (Galvani, Luigi)
ガルバーニという人は
イタリアの医師で、1775年にはボロニア大学解剖学教授になる。 ライデン瓶による人体の感電は興行的な人気があったが、医学・生物学の分野においても治療器の可能性などで流行する。 ガルバーニも起電機を実験に用いた一人であった。
ガルバーニの主な経歴
1789年、ガルバーニ電気を発見する。 解剖したカエルの足に起電機からの火花をあてたり、たまたま助手が起電機操作中にカエルの足にメスをあて、火花が直接カエルに接触しなくてもカエルの足が激しく痙攣したりといったことを経験する。 ガルバーニが発刊した”筋肉の運動における電気力に関する論考”のなかで彼はこう言っている。 「カエルを解剖していつものように試料を作り、他のことを考えながらそれをテーブルの上の、起電機からあまり離れていない場所に置いた。助手がメスをカエルの脛の神経にあてたところ、カエルの足の筋肉全体に強い収縮が生じた...」 カエルの筋肉運動は電気に関係があると推理したガルバーニは、切り離したカエルの足を金属のフックに刺して雷の日に屋外の鉄柵に掛けた。 1789年夏の日、雷が鳴ると鉄柵のカエルは激しく痙攣した。 これによりカエルの足は検電器として使えると考えたガルバーニは以後、動物電気現象の研究に没頭していく。
ガルバーニの実験室
1791年、”筋肉の運動における電気力に関する論考”というラテン語の出版物を刊行する。 当時、電気学者たちは電気現象と生物現象の間には何か関係があることに気がついていたが、 これらの報告は誤っていることが多かった。 中にはでっちあげとされるものもあったため、あまり多くの関心をひいてはいなかったのだが、 ガルバーニは高い評価を受けていた人物であった。この論文によって世間の真面目な関心を呼び起こした。 摩擦電気以外では初の人工電気である。ガルバーニによれば電気は筋肉内にあるとされたが、 残念ながらカエルが電気を持つのではなく、2種類の金属とカエルの足を環状に接続すれば、いつでもカエルは痙攣した。 電源はカエルではなく2種の金属だったのである。主にボルタと論争になり、 ボルタによって銅と亜鉛の組合せが効果が高いことも解明された。
ルイジ・ガルバーニ
ガルバーニ個人としては誤ったかもしれない。しかし、彼の研究から検電器が開発され、 また、2種の金属からボルタ電池が発明される。 それまでの静電気から動電気の時代へ入っていくための大きなターニングポイントであったことは間違いない。
検流計を英語でガルバノメータ(Galvanometer)という。残念ながらカエルはどこにも使われていない。この名はアンペールがつけたとされる。
ガルバーニと同じ種類の言葉
固有名詞の分類
Weblioに収録されているすべての辞書からガルバーニを検索する場合は、下記のリンクをクリックしてください。
全ての辞書からガルバーニ を検索
- ガルバーニのページへのリンク