カデットE(1984年-1991年)
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「オペル・カデット」の記事における「カデットE(1984年-1991年)」の解説
最後のカデットとなったEは1984年に登場した。最大のライバルであるゴルフは1982年に「ゴルフII」に発展していたし、同時期のドイツにはアウディ・100やフォード・シエラなど、いわゆるエアロルックと呼ばれる空力的スタイルの新型車が次々に登場していた。新鮮さを失ったカデットDの角張ったスタイルをエアロルックで一気に若返らせたことがEの最大の特徴で、空気抵抗係数(Cd値)は0.32と、当時の最先端の値となった。ただしその代償として窓面積が小さくかつ傾斜が強いため、室内は開放感に欠け、狭く感じられた。 機構的には先代をほぼ踏襲しており、エンジンも従来からの1,196cc・1,297cc・1,598ccのガソリンと1,598ccディーゼルがそのまま用いられた。ボディは3ドアと5ドアのハッチバック、4ドア3ボックスのセダン、ホイールベースを235mm延長した3・5ドアワゴンのキャラバンがあったが、1987年にはイタリアのベルトーネが車体製作を担当した2ドアカブリオレも追加された。 1986年には高性能版のGSiが登場、空気抵抗係数(Cd値)は0.30となり、115psのスペックでも空力ボディの恩恵もあって最高速度は220km/hに達した。当初は1,796ccであったが、1988年にはマイナーチェンジが行われてフロント部分が改変された他、エンジン排気量が1,400/1,800/2,000ccに拡大され、GSiは2,000ccDOHC16バルブ156馬力となった。 1992年にモデルチェンジされる際に、オペル版も車名が「アストラ」に統一され、戦前から数えると50年以上の歴史を持つカデットの名前は消滅した。 なお、WRCへはグループAでGSiでの参戦に留まるものの、グループBが凍結されたため撤回された上位カテゴリ・グループS用のマシンとして、GSiベースの600馬力、パワートレーンを4駆化した「GSi T16 ラリー4X4」が開発され、投入するカテゴリを失うと1988年ヨーロッパラリークロス選手権に参戦していた。 5ドアリアビュー ノッチバック キャラバン(後期型) GSi T16 ラリー4X4
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