オーステナイト・フェライト系ステンレス鋼とは? わかりやすく解説

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オーステナイト・フェライト系ステンレス鋼

austenitic-ferritic stainless steels
オーステナイトフェライトの2相組織を示すステンレス鋼

オーステナイト・フェライト系ステンレス鋼

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/21 15:55 UTC 版)

オーステナイト・フェライト系ステンレス鋼(オーステナイト・フェライトけいステンレスこう)とは、常温で金属組織が主にオーステナイト相フェライト相から成るステンレス鋼である。二相ステンレス鋼(にそう-)や二相系ステンレス鋼(にそうけい-)とも呼ばれる。オーステナイト・フェライト系ステンレス鋼とはステンレス鋼の金属組織別分類の一つで、他には「オーステナイト系ステンレス鋼」「フェライト系ステンレス鋼」「マルテンサイト系ステンレス鋼」「析出硬化系ステンレス鋼」の4つがある[2][3]。1930年頃、スウェーデンのアーヴェスタ社スウェーデン語版によって最初に実用化された。(以下、簡略のためにオーステナイト・フェライト系ステンレス鋼のことを二相系と呼ぶ。)


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オーステナイト・フェライト系ステンレス鋼

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ステンレス鋼」の記事における「オーステナイト・フェライト系ステンレス鋼」の解説

詳細は「オーステナイト・フェライト系ステンレス鋼」を参照 オーステナイト・フェライト系ステンレス鋼とは、常温オーステナイトフェライト両方並存する組織ステンレス鋼である。2つの相から成るので「二相ステンレス鋼」などとも呼ばれる実際のフェライト・オーステナイトの割合成分と熱履歴によって変わるが、一般的にはそれぞれの存在割合おおよそ同じとなるように製造するオーステナイト生成元素とフェライト生成元素の調整によって、オーステナイトフェライト並存させる。例えば、ニッケルを 8 % 含むものがクロム22 % 以上含むようになると、常温で二相組織を得ることができるようになるオーステナイト系同じくニッケルも主要合金元素として含むため、オーステナイト・フェライト系はクロム・ニッケル系ステンレス鋼一種分類される。オーステナイト・フェライト系の代表的鋼種場合で、クロム25 %ニッケル4.5 %、モリブデン2 % を主要合金元素とする。

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