オーステナイト系の工業的発明
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/21 15:56 UTC 版)
「ステンレス鋼の歴史」の記事における「オーステナイト系の工業的発明」の解説
詳細は「オーステナイト系ステンレス鋼#歴史」を参照 オーステナイト系ステンレス鋼の発明者には、ドイツのベンノ・シュトラウス(ドイツ語版)とエドゥアルト・マウラー(ドイツ語版)の名が第一に挙げられる。1909年ごろより、フリート・クルップ(以下、クルップ社)のベンノ・シュトラウスとマウラーは、クロム・ニッケル・鉄合金の研究を進めていた。シュトラウスが熱電対用の耐熱合金を研究しており、1910年に3種類の高クロム鋼、2種類の高クロム・ニッケル鋼を作製した。マウラーが、それら鋼種の1つの耐食性に気づいた。オーステナイト組織の高クロム・ニッケル鋼が硝酸に対して耐性を持つことが追試によって確認され、その成果をもとに1912年にクルップ社から2つの特許が出願された。その内の1つが、"V2A" と名付けられた、クロム 20 %・ニッケル 7 %・炭素 0.25 % のオーステナイト系ステンレス鋼であった。クルップ社は、この鋼種について1913年にイギリスで特許登録し、後に米国でも特許登録した。 このようにしてオーステナイト系ステンレス鋼を発明したシュトラウスとマウラーであったが、後の1920年代から30年代にかけて、シュトラウスとマウラーの間でどちらが発明者にふさわしいかについて論争が起きている。そのような経緯もあり、オーステナイト系ステンレス鋼の発明はクルップ社という会社の功績と考える見解もある。金属工学者の遅沢浩一郎は、二人の名ではなく、クルップ社の名をオーステナイト系の発明者として挙げる。
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