オーステナイト・フェライト系の工業的発明とは? わかりやすく解説

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オーステナイト・フェライト系の工業的発明

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/21 15:56 UTC 版)

ステンレス鋼の歴史」の記事における「オーステナイト・フェライト系の工業的発明」の解説

詳細は「オーステナイト・フェライト系ステンレス鋼#歴史」を参照 1927年米国ユニオンカーバイドE.C.ベインW.E.グリフィスが、オーステナイトフェライト併存する組成範囲示した・クロム・ニッケル三元状態図初め報告した。この報告によると、クロム23 % から 30 %、かつニッケル1.2 % から 9.7 % でオーステナイト・フェライト二相が現れるということであった。しかし、彼らの報告では、その材料特性触れことはなかった。 1929年または1930年スウェーデン二相ステンレス鋼鋳造品が製造された。実用化したのはアーヴェスタ社(スウェーデン語版)で、炭素量が多かったオーステナイト系ステンレス鋼起きていた粒界腐食への対策として開発された。これがオーステナイト・フェライト系の最初製造考えられている。造られ鋼種2種類で、"453E"と"453S"と名付けられた。453Eの組成クロム 20 %ニッケル 5 % で、耐熱用として販売された。453Sの組成は、453Eの組成モリブデン 1 %加わったもので耐食用として販売された。特に453Sが広く利用されたという。 また一方1933年フランスでジェイコブ・ホルツァー社(フランス語版)が二相ステンレス鋼偶然的造り出し、その鋼種の対粒界腐食性が高いことを発見したモリブデン入りオーステナイト系製造する際に、誤ってクロム多量に添加してしまったことが発見きっかけであったクロム 18 %、ニッケル 9 %、モリブデン 2.5 % を目標にしたが、クロム 20 %ニッケル 8 %、モリブデン 2.5 % から成る鋼種出来上がった。ジェイコブ・ホルツァー社は1935年にこの鋼種特許出願し、1936年特許登録された。 アーヴェスタ社の453Sは、サルファイトパルプのパルプ産業などで使われた。フランスでは、"UR50" という二相ステンレス鋼売り出され石油精製食品産業パルプ産業製薬業などで利用された。ただし、当時発明されたオーステナイト・フェライト系鋼種良好な特性持ち一定の活用はなされたものの、溶接部熱影響部靭性耐食性低下するという欠点があった。この欠点のため、オーステナイト・フェライト系の利用当面のあいだ狭い範囲限られることとなる。

※この「オーステナイト・フェライト系の工業的発明」の解説は、「ステンレス鋼の歴史」の解説の一部です。
「オーステナイト・フェライト系の工業的発明」を含む「ステンレス鋼の歴史」の記事については、「ステンレス鋼の歴史」の概要を参照ください。

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