オリンピックのレスリング競技とは? わかりやすく解説

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オリンピックのレスリング競技

(オリンピックレスリング競技 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/15 16:57 UTC 版)

オリンピックのレスリング競技
統括団体 世界レスリング連合 (略称: UWW)
種目数 18 (男子 12, 女子 6)
大会

オリンピックのレスリング競技(オリンピックのレスリングきょうぎ)は、1896年のアテネオリンピックから実施された。1900年パリオリンピックでは実施されなかったが、以降の夏季大会からは継続して実施されている。1896年当初の種目は男子グレコローマンのみで、男子フリースタイルは1904年セントルイスオリンピックから、女子フリースタイルは2004年アテネオリンピックから加わり[1]2012年ロンドンオリンピックまでにそれぞれ25回、24回、3回の大会に参加した[2]。「フリースタイル」は1936年ベルリンオリンピックまでは「キャッチ・アズ・キャッチ・キャン・スタイル」とよばれていた。長いので改称した[3]

実施階級

男子グレコローマン

階級/年 96 00 04 08 12 20 24 28 32 36 48 52 56 60 64 68 72 76 80 84 88 92 96 00 04 08 12 16 20 24 合計
ライトフライ級 7
フライ級 14
バンタム級 24
フェザー級 23
ライト級 27
ウェルター級 22
ミドル級 27
ライトヘビー級 20
ヘビー級 27
スーパーヘビー級 14
無差別級 1
種目数 1 - 0 4 5 5 6 6 7 7 8 8 8 8 8 8 10 10 10 10 10 10 10 8 7 7 7 6 6 6

男子フリースタイル

階級/年 96 00 04 08 12 20 24 28 32 36 48 52 56 60 64 68 72 76 80 84 88 92 96 00 04 08 12 16 20 24 合計
ライトフライ級 8
フライ級 15
バンタム級 26
フェザー級 24
ライト級 27
ウェルター級 25
ミドル級 26
ライトヘビー級 18
ヘビー級 27
スーパーヘビー級 14
種目数 0 - 7 5 0 5 7 7 7 7 8 8 8 8 8 8 10 10 10 10 10 10 10 8 7 7 7 6 6 6

女子フリースタイル

階級/年 04 08 12 16 20 24 合計
フライ級 6
バンタム級 6
ウェルター級 3
ミドル級 6
ライトヘビー級 3
ヘビー級 6
種目数 4 4 4 6 6 6

メダル獲得数の国別一覧

国・地域
1 ソビエト連邦 (URS) 62 31 23 116
2 アメリカ合衆国 (USA) 57 45 40 142
3 日本 (JPN) 37 22 17 76
4 ロシア (RUS) 31 14 14 59
5 トルコ (TUR) 29 18 19 66
6 スウェーデン (SWE) 28 27 31 86
7 フィンランド (FIN) 26 28 29 83
8 ハンガリー (HUN) 20 17 19 56
9 ブルガリア (BUL) 16 32 23 71
10 イラン (IRI) 11 15 21 47
11 韓国 (KOR) 11 11 14 36
12 キューバ (CUB) 11 6 10 27
13 ルーマニア (ROU) 7 8 19 34
14 イタリア (ITA) 7 4 11 22
15 EUN (EUN) 6 5 5 16
16 ドイツ (GER) 5 12 11 28
17 ポーランド (POL) 5 9 13 27
18 エストニア (EST) 5 2 4 11
19 アゼルバイジャン (AZE) 4 8 13 25
20 ウクライナ (UKR) 4 6 8 18
21 ユーゴスラビア (YUG) 4 6 6 16
22 フランス (FRA) 4 4 10 18
23 スイス (SUI) 4 4 6 14
24 ROC (ROC) 4 0 4 8
25 カナダ (CAN) 3 7 7 17
26 ジョージア (GEO) 3 6 10 17
27 イギリス (GBR) 3 4 10 17
28 北朝鮮 (PRK) 3 2 5 10
29 中国 (CHN) 2 5 8 15
30 アルメニア (ARM) 2 4 3 9
31 エジプト (EGY) 2 3 3 8
32 東ドイツ (GDR) 2 3 2 7
33 ウズベキスタン (UZB) 2 2 4 8
34 ノルウェー (NOR) 2 2 2 6
35 チェコスロバキア (TCH) 1 7 7 15
36 カザフスタン (KAZ) 1 5 11 17
37 東西統一ドイツ (EUA) 1 5 3 9
38 西ドイツ (FRG) 1 4 4 9
39 ギリシャ (GRE) 1 3 7 11
40 セルビア (SRB) 1 0 1 2
41 ベラルーシ (BLR) 0 7 7 14
42 モンゴル (MGL) 0 4 6 10
43 デンマーク (DEN) 0 3 6 9
44 キルギス (KGZ) 0 3 3 6
45 ベルギー (BEL) 0 3 0 3
46 インド (IND) 0 2 5 7
47 オーストラリア (AUS) 0 1 2 3
レバノン (LBN) 0 1 2 3
49 リトアニア (LTU) 0 1 1 2
50 ラトビア (LAT) 0 1 0 1
メキシコ (MEX) 0 1 0 1
ナイジェリア (NGR) 0 1 0 1
プエルトリコ (PUR) 0 1 0 1
スロバキア (SVK) 0 1 0 1
シリア (SYR) 0 1 0 1
タジキスタン (TJK) 0 1 0 1
57 オーストリア (AUT) 0 0 2 2
コロンビア (COL) 0 0 2 2
59 チェコ (CZE) 0 0 1 1
スペイン (ESP) 0 0 1 1
モルドバ (MDA) 0 0 1 1
北マケドニア (MKD) 0 0 1 1
パキスタン (PAK) 0 0 1 1
サンマリノ (SMR) 0 0 1 1
チュニジア (TUN) 0 0 1 1
Total 428 428 500 1356

参加国

国・地域/年 96 00 04 08 12 20 24 28 32 36 48 52 56 60 64 68 72 76 80 84 88 92 96 00 04 08 12 16 20 合計
アフガニスタン (AFG)   7
アルバニア (ALB)   3
アルジェリア (ALG)   9
アルゼンチン (ARG)   16
アルメニア (ARM)   7
アメリカ領サモア (ASA)   3
オーストラリア (AUS)   22
オーストリア (AUT)   20
アゼルバイジャン (AZE)   7
ベルギー (BEL)   18
ボスニア・ヘルツェゴビナ (BIH)   1
ベラルーシ (BLR)   7
ボリビア (BOL)   1
ブラジル (BRA)   7
バーレーン (BRN)   1
ブルガリア (BUL)   16
中央アフリカ (CAF)   1
カンボジア (CAM)   2
カナダ (CAN)   23
チリ (CHI)   2
中国 (CHN)   10
コートジボワール (CIV)   2
カメルーン (CMR)   8
コロンビア (COL)   10
クロアチア (CRO)   5
キューバ (CUB)   13
キプロス (CYP)   2
チェコ (CZE)   7
チェコスロバキア (TCH)   15
ボヘミア (BOH)   2
デンマーク (DEN)   19
ドミニカ共和国 (DOM)   5
エクアドル (ECU)   6
エジプト (EGY)   20
難民 (EOR)   1
エルサルバドル (ESA)   3
スペイン (ESP)   11
エストニア (EST)   12
フィンランド (FIN)   26
フランス (FRA)   25
ミクロネシア連邦 (FSM)   1
ガンビア (GAM)   1
イギリス (GBR)   23
ギニアビサウ (GBS)   7
ジョージア (GEO)   7
ドイツ (GER)   15
西ドイツ (FRG)   5
東ドイツ (GDR)   5
東西統一ドイツ (EUA)   3
ギリシャ (GRE)   26
グアテマラ (GUA)   5
ギニア (GUI)   3
グアム (GUM)   7
ハイチ (HAI)   1
ホンジュラス (HON)   1
ハンガリー (HUN)   25
インドネシア (INA)   1
インド (IND)   20
イラン (IRI)   16
アイルランド (IRL)   5
イラク (IRQ)   6
アイスランド (ISL)   1
イスラエル (ISR)   8
アメリカ領ヴァージン諸島 (ISV)   1
イタリア (ITA)   26
ヨルダン (JOR)   1
日本 (JPN)   21
カザフスタン (KAZ)   7
ケニア (KEN)   1
キルギス (KGZ)   7
韓国 (KOR)   18
コソボ (KOS)   1
ラトビア (LAT)   10
レバノン (LBN)   9
リトアニア (LTU)   8
ルクセンブルク (LUX)   8
マダガスカル (MAD)   1
モロッコ (MAR)   11
モルドバ (MDA)   7
メキシコ (MEX)   18
モンゴル (MGL)   14
北マケドニア (MKD)   5
マルタ (MLT)   2
モーリシャス (MRI)   1
モーリタニア (MTN)   2
ナミビア (NAM)   2
ニカラグア (NCA)   1
オランダ (NED)   10
ナイジェリア (NGR)   11
ノルウェー (NOR)   24
ニュージーランド (NZL)   9
パキスタン (PAK)   10
パナマ (PAN)   9
ペルー (PER)   9
フィリピン (PHI)   8
パラオ (PLW)   3
ポーランド (POL)   19
ポルトガル (POR)   10
北朝鮮 (PRK)   10
プエルトリコ (PUR)   9
ルーマニア (ROU)   19
南アフリカ (RSA)   11
ロシア (RUS)   8
ROC (ROC) 1
EUN (EUN)   1
ソビエト連邦 (URS)   9
サモア (SAM)   2
セネガル (SEN)   13
サンマリノ (SMR)   1
セルビア (SRB)   4
セルビア・モンテネグロ (SCG)   1
ユーゴスラビア (YUG)   14
独立参加 (IOP)   1
スイス (SUI)   20
スロバキア (SVK)   5
スウェーデン (SWE)   26
シリア (SYR)   7
タジキスタン (TJK)   4
トルクメニスタン (TKM)   2
チャイニーズタイペイ (TPE)   4
チュニジア (TUN)   10
トルコ (TUR)   21
ウクライナ (UKR)   7
アメリカ合衆国 (USA)   26
ウズベキスタン (UZB)   7
ベネズエラ (VEN)   9
ベトナム (VIE)   4
イエメン (YEM)   1
北イエメン (YAR)   1
参加国数 5 - 1 14 18 19 26 29 18 29 28 36 30 42 39 45 50 41 35 44 69 59 75 55 66 59 71 66 61

2020年大会以降の中核競技からの除外検討

近代オリンピックにおいて第1回からただ1回を除いて続いてきたレスリングであるが、2013年2月12日、IOC(国際オリンピック委員会)理事会において選定された2020年夏季オリンピックの「中核競技」から除外され、同年5月のプレゼンテーションを経て9月のIOC総会で追加される1枠を、他の7競技(野球・ソフトボール、ウエークボード、空手、スカッシュ、スポーツクライミング、ローラースポーツ、武術太極拳)と争うこととなった[4]

IOCはこの決定について、人気度や競技人口などがこの決定に繋がったと説明している。2008年北京オリンピックで実施された競技に関するIOCの評価報告ではチケット売上、取材申請数、テレビ視聴者数、報道記事数、FILA(国際レスリング連盟)やIOCのウェブページへのアクセス数などにおいて、近代五種テコンドーホッケーカヌーなど、投票の対象となった他競技と比べて著しい遜色はなかったが[5][2]、2012年ロンドンオリンピックの評価報告では人気度やFILAの体制面、男女別種目数の不均衡(14対4)などで低評価だったとされ、これが理由となった[6]。しかし、2013年5月29日に公表されたロンドン五輪の評価報告では、テレビ放送実績などによる5段階のランク分けでレスリングはテコンドーと並び4番目のDで低評価ではあったが、Eランクの近代五種は上回っていた[7]

2013年5月のプレゼンテーションを経て、レスリングは野球・ソフトボールやスカッシュとともに最終候補に残った[8][9]。危機感を持った国際レスリング連盟が、役員の女性登用などの組織改革や3分2ピリオドのトータル・ポイント制を導入するルールの改正、種目数の男女均衡化(フリースタイルでは男女とも6種目)などの競技の近代化を短期間で断行した。そして、同年9月8日のIOC総会での評決において他の2候補の得票を上回り、2020年及び2024年夏季オリンピックへの競技残留が決定した。

2028年ロサンゼルスオリンピックでボクシングの女子の階級数が6から7に増えたことににより男女種目数同数となり、レスリングは唯一の男女種目数不均衡があるオリンピック競技となった。それも12種目対6種目と不均衡が大きなものとなっている。

脚注

  1. ^ 吉田「ショック」レスリング五輪から消滅”. 日刊スポーツ (2013年2月13日). 2013年2月14日閲覧。
  2. ^ a b Report on the 26 core sports for the games of the XXXI Olympiad – FILA” (英語). 国際オリンピック委員会. pp. 78, 80, 81他 (2009年9月). 2013年2月13日閲覧。
  3. ^ 八田一朗種目めぐり レスリングとその強化」『東京都オリンピック時報』第2巻第3号、東京都オリンピック準備局、1961年10月、20頁。 
  4. ^ レスリング、五輪競技から外れるか”. ウォール・ストリート・ジャーナル日本版 (2013年2月13日). 2013年2月13日閲覧。
  5. ^ 五輪=IOC理事会、レスリングの除外を決定”. ロイター (2013年2月13日). 2013年2月13日閲覧。
  6. ^ レスリング、人気度や組織体制で低評価 IOC報告”. 日本経済新聞 (2013年2月13日). 2013年2月13日閲覧。
  7. ^ “ロンドン五輪評価 陸上最高ランク、最低は近代五種”. スポーツニッポン. (2013年5月30日). https://web.archive.org/web/20130623100303/http://www.sponichi.co.jp/sports/news/2013/05/30/kiji/K20130530005907400.html 2013年5月31日閲覧。 
  8. ^ “レスリング選手ら「夢つながった」 五輪種目最終候補”. 日本経済新聞. (2013年5月30日). https://www.nikkei.com/article/DGXNASDG3001H_Q3A530C1CR0000/ 2013年5月31日閲覧。 
  9. ^ “「第二の米満」へ夢つなぐ レスリング”. 読売新聞山梨版. (2013年5月30日). http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/yamanashi/news/20130530-OYT8T01408.htm 2013年5月31日閲覧。 

関連項目

外部リンク




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