オキシゲナーゼ反応とは? わかりやすく解説

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オキシゲナーゼ反応

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/21 03:05 UTC 版)

リブロース1,5-ビスリン酸カルボキシラーゼ/オキシゲナーゼ」の記事における「オキシゲナーゼ反応」の解説

強光下で光合成行っていた植物細胞21%O2濃度条件通常の大気)における暗所移動した場合直後大量CO2放出見られる同様の実験1.5%O2濃度条件暗所移動した場合CO2放出観察されなくなる。明条件におけるCO2放出光呼吸というが、この原因になっている主反応RubisCOのオキシゲナーゼ反応である。光呼吸同化したCO2を再放出する過程であり(植物の生育速度低下)、多くの主要作物小麦、米、豆類など)でこの現象見られることから収量上昇など経済的に注目されているRubisCOのオキシゲナーゼ反応は以下のとおりである。 リブロース1,5-ビスリン酸 + O2 → 3-ホスホグリコール酸 + 3-ホスホグリセリン酸 一見CO2放出されていないように見えるが、3-ホスホグリコール酸がペルオキシソームおよびミトコンドリア経て代謝されCO2放出する。3-ホスホグリセリン酸はそのままカルビン-ベンソン回路にて還元過程に入る。また、実際にCO2放出する反応のみならず、オキシゲナーゼ反応がカルボキシラーゼ反応競合し阻害することによって、見かけCO2放出量を増加させ、光合成能率低下を招く。 オキシゲナーゼ反応は詳細に分類すると以下のステップを経る。 D-リブロース1,5-ビスリン酸RubisCO作用によりエンジオール中間体となる。 RubisCOにO2が結合する。 RubisCO-O2複合体にMg2+が結合し活性型となる。 エンジオール中間体リブロース1,5-ビスリン酸にO2が付加し、3-オキソ中間体となる。 3-オキソ中間体リブロース1,5-ビスリン酸水酸化物イオン (OH−) が反応し、3-ホスホグリコール酸、3-ホスホグリセリン酸および水酸化物イオンそれぞれ1分子ずつ生じる。 リブロース1,5-ビスリン酸結合した酸素原子は3-ホスホグリコール酸の2位および放出される水酸化イオン結合している。 上記カルボキシラーゼ反応比較して反応ステップ極めて似通っており両反応競合するのも、こうした酵素的な諸反応類似していることが原因である。 RubisCOオキシゲナーゼ活性有する原因として、活性中心へのO2分子取り込まれやすさが考えられるRubisCO有する光合成生物出現した当初地球上大気組成は現在よりも還元的でCO2濃度高かった考えられており、こうした欠点表在化しなかった。しかしながら陸上植物台頭により大気中の酸素分圧の上昇そして二酸化炭素分圧低下招きRubisCO欠点光呼吸という形で現れてきたと考えられている。 RubisCOカルボキシラーゼ/オキシゲナーゼ活性比とCO2/O2比の関係を表す値を「CO2補償濃度」といい、自然に起きている暗呼吸光呼吸つりあい、みかけのCO2放出速度が0になる。一般的なC3植物CO2補償濃度50100 ppmである。また、CO2補償濃度以外のRubisCO能力を示す値として、任意のCO2/O2濃度におけるカルボキシラーゼ/オキシゲナーゼ活性比である「τ値」が挙げられる一般的に陸上植物型のRubisCO (Form I) は嫌気性光合成細菌RubisCO (Form II) に比べて、高酸素分圧条件適応した痕跡見られCO2補償濃度およびτ値において優れた値を示す。Form IIIについては後述する。

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