インディアンの宗教の自由とテキサス州
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 05:26 UTC 版)
「テキサス州」の記事における「インディアンの宗教の自由とテキサス州」の解説
合衆国でのインディアンの宗教は、1881年にすべて非合法化された。以後、儀式の話をしただけで、彼らは白人に逮捕される状況となった。1940年代になり、フランクリン・ルーズベルト大統領が一部合法化したものの、自傷行為を伴う苦行などは、「レッド・パワー運動」が高まった1970年代までなお禁止弾圧され続けた。 19世紀末に同州で発祥したネイティブ・アメリカン・チャーチが行う「ペヨーテの儀式」は、フェネチルアミン系の幻覚剤であるメスカリンを成分として含むペヨーテを摂取して治癒を行う宗教であるが、このペヨーテは、アメリカ国内では同州にしか自生しない。このため、現在ではペヨーテの採集のために全米からインディアンが集まることとなっている。ペヨーテの採集は、現在インディアンにのみ合法とされる行為である。 1884年からインディアンの同化政策として始まった「インディアン寄宿学校」は、インディアン児童を同化政策の目的をもって、彼らの言語・宗教・習慣を根こそぎ奪い、キリスト教化させた私立の「教育」機関である。本来インディアンにとって髪の毛は神聖なものであり、これを切るのは家族が亡くなったときだけであるが、インディアン寄宿学校はこれを無視して入学時に強制的に彼らの髪を切らせた。インディアン児童が一般公立学校に通学させられるようになったのは20世紀後半からであるが、ここでもなお彼らの宗教習慣は、白人のキリスト教規範に従わせるものだった。保留地を領有する部族は「部族学校」を開設してこれに対抗しているが、領土を持たない「非公認部族」の児童は、現在も白人の学校への通学を余儀なくされている。 1978年、「アメリカ・インディアンの宗教の自由法(AIRFA)」が制定され、絶滅危惧種であるワシなどの羽や骨の使用や、麻薬であるメスカリンを含むペヨーテの宗教儀式での使用を例外的に認められた。
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