ネイティブ・アメリカン・チャーチとは? わかりやすく解説

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ネイティブ・アメリカン・チャーチ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/27 08:36 UTC 版)

ネイティブ・アメリカン・チャーチまたはアメリカ先住民教会[1](Native American Church, NAC)とは、ペヨーテ信仰(Peyotism, Peyote Religion)として知られるアメリカ先住民族の宗教英語版であり、その教えは伝統的なアメリカ先住民の信仰とキリスト教の混交であり、エンセオジェン(幻覚剤に神聖さを込めた意味)のペヨーテを使用することも特徴である[2]。その発祥は、19世紀後半にメキシコからグレートプレーンズ南部にペヨーテがもたらされた後の、アメリカ合衆国のオクラホマ州でのことである[2][3][4]。1890年に多種多様な部族間に共通の「アメリカ先住民」というアイデンティティを形成することに一役買ったゴースト・ダンスが衰退した一方で、ネイティブ・アメリカン・チャーチはその空白を埋める役割を果たすこととなった[1]。今では、アメリカ、カナダ、メキシコにて最も広く根付いている土着の宗教であり、20世紀後半には推定25万人の信奉者がいる[5][6][7][8]


  1. ^ いずれも2015年時点で主にオクラホマ州に居住する部族である[11][12]
  2. ^ メキシコ北部でペヨーテを宗教的な目的で用いる民族としては、ウイチョル族(Huichol)やコラ族英語版(Cora)、タラウマラ族(Tarahumara)などが知られている。
  3. ^ 特に、ウイチョル族による「ペヨーテ狩り」の巡礼が知られている。彼らはサン・ルイス・ポトシ地域のウィリクタ英語版(Wirikuta)という、ペヨーテに恵まれた先祖代々の聖地を目指す巡礼を何度も行っている[15]
  1. ^ a b ハーツ (2003:161-162).
  2. ^ a b c d e f Catherine Beyer. “Peyote and the Native American Church”. About.com Religion & Spirituality. 2015年3月5日閲覧。
  3. ^ http://www.facstaff.bucknell.edu/jms089/Z-Unpublished%20Work/Shields-Christ%20&%20Cactus.pdf
  4. ^ Native American Church”. Encyclopædia Britannica. 2015年3月5日閲覧。
  5. ^ Native American Church”. 2015年3月5日閲覧。
  6. ^ World Religions & Spirituality - Native American Church”. 2015年3月5日閲覧。
  7. ^ University of Virginia Library”. Religiousmovements.lib.virginia.edu (2006年9月7日). 2007年12月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年7月9日閲覧。
  8. ^ 'A Brief History of the Native American Church'”. CSP (1996年). 2017年4月27日閲覧。
  9. ^ a b c d e f http://plainshumanities.unl.edu/encyclopedia/doc/egp.rel.036
  10. ^ a b c d e f g h 河村錠一郎「ペヨーテ、そして世紀末」『カイエ』第2巻第5号、1979年、 88-103頁。
  11. ^ Lewis et al. (2015a).
  12. ^ Lewis et al. (2015b).
  13. ^ a b c d e f g h i シュルテスら (2007:151–152).
  14. ^ a b ハーツ (2003:165).
  15. ^ シュルテスら (2007:148).
  16. ^ ハーツ (2003:162).
  17. ^ a b c d ハーツ (2003:163).


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ネイティブ・アメリカン・チャーチ

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ネイティブ・アメリカン」の記事における「ネイティブ・アメリカン・チャーチ」の解説

ネイティブ・アメリカン・チャーチは、現在インディアンの間にもっとも普及している宗教であり、コマンチ族最後の酋長クァナー・パーカーを開祖とする。キリスト教シンボリックな要素多く異なった部族からの霊的な習慣要素組み込んで1890年代興った習合的な教会である。ちなみに、クアナ自身生涯キリスト教徒にはならなかった。 もともとは、メキシコウィチョール族などが行う「ペヨーテ狩り」の儀式元になっていて、ペヨーテもたらす霊的な幻視と、その薬効会得手順儀式的に整えたのである保留地暮らし始めた頃、重篤な病に倒れたクアナは、呪い師による治療望んだメキシコ人タラウマラ族混血女性によるメキシコ原産ペヨーテ使った治療によって全快したクアナは、人類学者のジェームズ・ムーニイの後ろ盾で、このペヨーテ用いた儀式をネイティブ・アメリカン・チャーチとして組織化した米国内では、ペヨーテコマンチ居住する南西部にしか自生しない)。宣教師達によってペヨーテは「悪魔果実」とされ、弾圧されてきたが、近年インディアンに対して使用合法化された。 儀式ティピー内で夜間から朝にかけて行われペヨーテ複数摂取することで進められる治療祈祷主な目的であり、教会チャーチ)という言葉から連想するような、キリスト教的な教義説教といったものはない。 スー族においては、同チャーチ指導者たちはその3分の1が、ペヨーテ会合に関わっていると報告している。現在ではロサンゼルスミネアポリスデンバーシカゴラピッドシティーといった各地のインディアンコミュニティーでペヨーテ儀式開かれ、非インディアン保留地へ足を運ぶ目的一つとなっている。

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