アメリカ軍による調査報告内容
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/06 05:38 UTC 版)
「三式対戦車手榴弾」の記事における「アメリカ軍による調査報告内容」の解説
U.S. Office of Chief of Ordnanceでは鹵獲した本弾薬の調査を行っている。 三式対戦車手榴弾に使用された炸薬は、TNTおよびPETNを50対50で混合し、キャスト状の成形炸薬としたものである。この炸薬の内側に薄いアルミニウム製のコーンが装着された。さらに底部には爆発の際、装甲との一定の間隙を設けるための木製のスペーサーが付けられた。円錐形状の頂部には信管、そして尾部の房が付けられている。 成形炸薬は円錐形状にまとめられ、ワックスの塗布された薄紙で保護されている。また頂部には穴が設けられており、これは信管の爆薬を収容するためのものである。キャスト状の輪がサイクロナイトの爆薬を包んでいる。信管は常働信管で衝撃により発火し、二つの部分から構成され、これらは互いに繋がれている。信管は手榴弾が約12m/s以上の速度で投げられない限り、また硬い表面に衝突しない際、機能しない。木製の底部は適度なスタンドオフの距離を維持する。底面には開口部が開かれているが、この直径は内部の円錐状空間のそれよりやや小さい。 手榴弾は布で被覆され、色は白色またはオリーブドラブである。また底部で糸により閉じられている。房状の尾部は麻製で、手榴弾の頂部で巻き締められており、飛行姿勢に安定を与える。この兵器は約5cmの装甲板を貫通し、およそ10mの距離から投擲すべきものである。 この手榴弾の改修版が回収され、タイプBと呼ばれた。この兵器は以前フィリピンで投入された手榴弾と以下の点で異なっている。これはより小型で、被覆の布はキャンバスの代わりに黄色の絹が用いられ、信管は手榴弾の頂部で金属製の基部にねじ込まれていた。信管の本体は金属製であり、先が一つ分かれた安全ピンが付けられている。また起爆薬の収められた管はより太くなっている。 報告書によれば、同型式でかつ大型のものが存在し、これは九四式爆薬が使われている。
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