アメリカ軍のOPFOR
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「仮想敵部隊」の記事における「アメリカ軍のOPFOR」の解説
アメリカ軍では、冷戦期よりソビエト連邦を想定した大規模なOPFORを設置してきた。ソビエト連邦の崩壊後は対象を広げ、近年ではイラクやアフガニスタンといった国を想定することが増えている。 以下の3つの訓練センター(Training Center)がアメリカ陸軍における主要なOPFORの拠点である。 カリフォルニア州フォート・アーウィン国立訓練センター(National Training Center, NTC) - 第11機甲騎兵連隊(英語版) ルイジアナ州フォート・ポーク統合即応訓練センター(英語版)(Joint Readiness Training Center, JRTC) - 第509落下傘歩兵連隊第1大隊 ドイツ・ホーエンフェルス(英語版)統合多国籍即応センター(Joint Multinational Readiness Center, JMRC)、旧戦闘機動訓練センター(Combat Maneuver Training Center, CMTC) - 第4歩兵連隊第1大隊 NTCおよびJMRCの部隊はソ連軍の自動車化狙撃兵を模しており、多くの仮想敵改造を施された車両を保有する。NTCではT-80戦車風の改造を施されたM551シェリダン軽戦車を2003年まで使用していた。その他にもBRDM-2装甲車風の改造を施されたハンヴィー、BMP-2装甲車風の改造を施されたM113A2装甲車(OPFOR代用車両(OPFOR Surrogate Vehicle, OSV)と通称される)、T-80戦車風の改造を施されたM1エイブラムス(クラスノヴィアン派生戦車(Krasnovian Variant Tank, KVT)と通称される)、同じくT-80戦車風の改造を施されたM113A2装甲車(OSV-Tと通称される。Tは戦車(Tank)の意味)などが存在した。JMRCではBMP-2装甲車風のM113A2装甲車に加えて、T-80戦車風の改造を施されたM60A3戦車なども保有した。 1990年代半ば、JMRCではユーゴスラビアにおける平和維持活動に備えて低強度紛争を想定した訓練が実施された。現在ではイラク戦争後の対反乱作戦を想定した訓練が行われている。 2004年初頭、NTCではイラクやアフガニスタンにおける市街戦を想定した訓練が始まった。演習場内に大規模な中東風の複雑な街が再現され、アラビア語やクルド語を話すOPFOR隊員がアフガン・イラク風の衣装を着て市民および民兵を演じた。 BMP装甲車風の改造を施されたM113A2装甲車(OSV) Mi-24風の塗装・改造を施されたUH-1ヘリコプター(1985年) OPFORの制服の1つ。ソビエト連邦風の肩章がある。 中東風の衣装を着たOPFOR隊員。 BRDM装甲車風の改造を施されたハンヴィー。 T-80戦車風の改造を施されたM551シェリダン。
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