アムブロイド
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/26 03:01 UTC 版)
AMBROID(「アムブロイド」)はアメリカの接着剤ブランドで、1910年:2にWest Manufacturing Co.,が発売。接着剤商品AMBROID GLUEは強力な防水性、柔軟性、耐酸、耐油性を特長とうたっており、セルロース系。1900年頃にアメリカのHowe & French, Inc.社の社長Charles Seavernが、趣味のカヌー用の防水剤塗布作業を改善するために、同社の廃棄物だったセルロイド屑を加工した防水塗料を開発したところ性能・使いやすさ、ともに良好だったために発売した。最初は缶入品のみだった。チューブ入品のほうが応急修理用にも便利なのはわかっていたが、鉛製のチューブに触れると接着剤が固まってしまうため実現できなかった。後にこれはクエン酸添加により解決し、チューブ品も発売された。当初製品は琥珀色だったが、後に原料をセルロイド屑から純セルロースに切り替えたところ色が変わったため、わざわざ琥珀色の染料を添加した。 着火剤としても好適で雨天下でも使えるという。 "AMBROID"のロゴマークは1911年にWest Manufacturing Co.,が商標登録。West Manufacturing Co.,は1951年に"Ambroid Co.,"に社名変更:2、1962年までには兄弟会社Howe & French, Inc.と統合。また、どこかの時点でAMBROIDは"AMBROID Liquid Cement"という商品名に変更された。Ambroid Companyは1960年代には各種接着剤に加えて模型キットも販売。ロゴマークの商標登録は1992年以前に失効。 2000年に別会社が別デザインの"AMBROID"を商標登録、"Ambroid ORIGINAL LIQUID CEMENT"等の商品名を冠する各種接着剤を販売していたが、登録は2007年に失効、ホームページも2009年頃に閉鎖となった。 なお、英語の"ambroid"(別綴 "amberoid")という語は、19世紀に開発された新素材で、琥珀(amber)の屑を熱し固めて作った琥珀風の材料である。West Manufacturing Co.,のセルロース系接着剤の商標"Amobroid"よりも前から存在する。"Ambroid"と書いてあるときは、この琥珀系材料のことか、"Ambroid"ブランドの製品のことか、いずれもありえるので注意。ややこしいことに、他社製品で琥珀を原料にした接着剤というものも存在する。
※この「アムブロイド」の解説は、「万能接着剤」の解説の一部です。
「アムブロイド」を含む「万能接着剤」の記事については、「万能接着剤」の概要を参照ください。
- アムブロイドのページへのリンク