アフガン問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/29 12:29 UTC 版)
「第47回先進国首脳会議」の記事における「アフガン問題」の解説
サミット終了後の2021年8月にはG7議長国イギリスの呼びかけにより、アフガニスタン紛争の終結を望んだアメリカによる米軍撤退によって、タリバンが20年ぶりに再び実権を握ったアフガニスタン情勢へのG7の連帯した対応を目指し、オンラインでのG7会合を予定し、19日には外務大臣会合が、24日には首脳会合が行われ。タリバンに対し、アフガニスタン国民の基本的人権、特に女性の人権の尊重を求め、タリバンの主張する新国家「アフガニスタン・イスラム首長国」の承認の是非についてはそれが満たされた上で判断し、人権侵害などがある場合はタリバンへの制裁を検討するということや国外脱出を望むアフガニスタン国民や外国人の安全の確保を引き続きタリバンに求めること、またG7各国での難民受け入れの方針や今後アフガニスタンが「テロの温床」とならないように国際社会で連携を進めることなどが確認、協議されている。首脳会合にはG7各国の首脳が参加したほか、EUのミシェル欧州理事会議長や国連のグテレス事務総長、またNATO(北大西洋条約機構)のイェンス・ストルテンベルグ事務総長もそれぞれ招待され、参加した。 アフガニスタンからの米軍撤退は、「アメリカ・ファースト」を掲げたトランプ政権が経済面での負担を懸念し、日本、ドイツ、韓国、イラク、アフガン、ソマリアなどの駐留米軍の規模縮小や撤退を推し進める中、タリバンと合意したもので、バイデン政権がそれを引き継いだ。バイデン政権が他の政策と違い、トランプ政権の決定を撤回せず、トランプ政権時代のタリバンとの合意に基づきアフガニスタンからの米軍の撤収作戦を指示、実行したのは、「泥沼化」したアフガニスタン戦争の終結を目指していたほかにも、近年、覇権主義的動きがみられる中華人民共和国を念頭に対中強硬姿勢を継承し、対中戦略の強化を行っており、在外米軍の体制見直しを進め、米軍を極東や東南アジア地域へ配置転換し、アジア太平洋へシフトすることによって、いわゆる「対中包囲網」の形成を目指していることも大きな理由の一つとして挙げられる。当初、5月1日までの撤退で合意していたが、トランプ大統領が2020年の「クリスマスまで」に一時前倒しする意向を示し、それを撤回後、2021年1月にバイデン政権に交代してから、アメリカ同時多発テロのあった9月11日を念頭に置いた、8月31日に延期された。イギリスやフランス、ドイツは、撤退期限のさらなる延長を求めていたが、タリバンが期限延長に強く反発する姿勢を見せていることから、米軍撤退期限を延長した場合はその報復やテロも懸念されることもあり、アメリカはタリバンとの合意に基づく期限までの米軍撤収を目指す構えを依然として崩さなかった。
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