その後の和英辞典
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/10 16:57 UTC 版)
その後、ヘボンの辞典をもとに、室町時代からある日本流の辞典「節用集」の形式を採り入れたり、項目をいろは順に並べ替えたりした和英辞典が日本人の手によって次第に工夫されるようになった。 続く独自の和英辞典は、フランシス・ブリンクリー・南条文雄・岩崎行親共編『和英大辞典』1896年(明治29年)三省堂刊である。語彙は約5万語。ヘボン辞書と同じく、外国人のために日本語概要(Introduction)が付く。百科事典的であり、日本の動植物や日本の事物について挿画がある。専門用語の付訳を数人の専門の学者に依頼した。 以後、明治の末までは最大の和英辞書であった。 以下、次のように発行されていく。 1905年(明治38年) - 新渡戸稲造・高楠順次郎編『新式日英辞典』三省堂 1909年(明治42年) - 井上十吉『新譯和英辞典』三省堂 1918年(大正7年) - 武信由太郎『武信和英大辞典』研究社 1921年(大正10年) - 井上十吉『井上和英大辞典』 至誠堂 1924年(大正13年) - 竹原常太『スタンダード和英大辞典』宝文館 1928年(昭和3年) - 斎藤秀三郎『和英大辞典』日英社 これは特筆すべき和英辞典である。日本人が日本の文化を発信するための和英辞典となっていて、日本語独特の表現や言い回し、感情などを英語で表現するために編集されている。 1931年(昭和6年) - 『研究社新和英大辞典』研究社 1954年(昭和29年) - 勝俣銓吉郎『研究社和英大辞典』研究社 和英辞書の語順は、ローマ字によるアルファベット順に始まり、当時の日本語の順番である「いろは順」がこれに続き、五十音順は明治の後期になってからである。 和英辞典は、ほとんどの電子辞書にも搭載されている。オンラインの辞書サイトでも和英辞典は定番である。
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