その後の国際協力探査
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/18 10:08 UTC 版)
ハレー艦隊は各国が太陽系探査を協力して実施する先駆けのケースとなったが、その後しばらくはハレー彗星ほどの本格的な国際協力体制は見られなかった。しかしこれを機に日欧が太陽系探査に進出したことや、冷戦の終結、予算の制限などにより、各国の探査で相互に配慮する様になった。2003年12月から翌年1月にかけて日欧米の探査機群が相次いで火星を訪れた、いわゆるマーズラッシュの際には互いのデータを利用してより高精度の探査を行うことが提案されるなど、太陽系探査は協力体制が基本になっていった。そして2007年以降は中国やインドも月・惑星の探査に進出し始め、その後の太陽系探査はハレー彗星以来の国際協力体制で臨む方向で話が進められている(宇宙探査機#国際協力体制も参照)。 ハレー艦隊以降の主な惑星探査機群の事例 マーズラッシュ - 2003年12月からの2か月間で、日欧米から着陸機を含む5機が火星を訪れた(うち2機失敗)。 近年の月探査機群 - 2007年から2009年にかけて、日中印米から子機を含め計9機の探査機群が月または月周回軌道に到達した。特に2008年11月から2009年10月までの1年間には、うち6機の探査機・衝突機が相次いで月面に衝突した。その後も各国から月探査機は断続的に打ち上げられている。 あかつきとピギーバック衛星群 - 2010年にH-IIAロケット17号機で打ち上げられた数機の日本の宇宙機のうち(2機のDCAMを含む)5機が12月頃に相次いで金星付近を通過したと考えられている(うち2機は確認)。その際あかつきが金星周回軌道投入に成功していれば先行する欧州の探査機との共同探査も検討されていた。その後あかつきは2015年12月7日に金星周回軌道に到達したものの、ESAの金星探査機ビーナス・エクスプレスはその1年ほど前に推進剤が尽きて観測を終了しており、本格的な共同探査は叶わなかった。なお日欧の探査機による金星共同探査はその後、2020年にあかつきとベピ・コロンボ、それに地球周回軌道からではあるがひさきを含む3機体制で達成している。その後も、あかつき活動中の2021年8月9日から10日にかけて、米欧共同のソーラー・オービターと日欧共同のベピ・コロンボがほぼ同時期に相次いで金星に接近している。 2014年の火星探査 - なお上記のような同時期の到着・フライバイという話ではなく、稼動中の過去の探査機も含めて同時に周回・着陸を実現した例としては、2014年に米欧印による着陸機2機を含む7機体制の火星探査が実現した。
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