その他基本仕様
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/26 01:03 UTC 版)
「X1 (コンピュータ)」の記事における「その他基本仕様」の解説
CPUにはZ80A(クロック4MHz)を採用し、割り込みは強力なモード2を使用した。ただし内部割込みはキー入力のみで、タイマ割り込みなどはなかった。 サブCPUとして80C49を搭載し、キーボード内の80C48との通信やデータレコーダの制御などに使用した。シリアル通信を採用したことに関連し、設計上キーマトリクスの取得ができず、Shiftなどを除きキーの同時押しは検知できなかった。キーボード分離型では接続コネクタに3.5mmの3極ミニフォーンプラグを使用していた。 シャープとハドソンの共同開発による Hu-BASIC が標準添付された。当時の水準では柔軟な記述を許容するなど、扱いやすく高機能なものだった。しかし、塗りつぶしなど一部の描画ルーチンの最適化が甘かったためグラフィック描画の遅さが目立ち、またFD版でなくとも毎回テープから起動する必要があったことと相まって、「X1は遅い」という誤解を招くことになった。ただし、塗りつぶし処理以外は当時の水準程度またはそれ以上の性能を備えていた。 一方、X1Fとともに登場した NEW BASIC (Hu-BASIC V2.0) は、X1turboの開発時に得たノウハウをフィードバックし、グラフィック描画性能を大幅に向上させ、漢字も扱いやすくなっていた。そして、クリーン設計ゆえにこの新しいBASICは初代X1までさかのぼって使用が可能であり、これをもって「Xシリーズは5年間その基本設計を変えない」(互換性を維持し、製品を販売する)とする販売姿勢の証左とされた。 X1シリーズはモデルチェンジを重ねつつも、基本仕様はオプションの標準装備化を進めた程度で上位互換性を保ち、オプションを追加しさえすれば初代機のX1でも長期間現役機として使用することができた。しかし、初代発売の2年後(1984年11月)に上位互換のX1turboが発売され、1987年後半頃には新規発売されるソフトウェア、とくにゲームはturboシリーズのみ対応のものが大半になった。このように、実際の市場動向としては、初代のX1(あるいはX1シリーズ)が5年間完全に現役でいられたわけでも、コンシューマーゲーム機のように単一プラットフォームとして機能していたわけでもない。
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