その他の海軍
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/15 14:00 UTC 版)
「南アメリカの建艦競争」の記事における「その他の海軍」の解説
アルゼンチン、ブラジル、チリ以外の南米諸国は資源も大型軍艦の操縦経験も足りず、競争に加入できる立場になかった。ペルー海軍は南米で4位の規模だったが、1879年から1883年までの対チリ太平洋戦争の海戦で大敗していた。ペルー政府が新しい軍艦を注文するまで20年を要した。例えば、アルミランテ・グラウ級偵察巡洋艦(英語版)のアルミランテ・グラウ(英語版)とコロネル・ボロネーシ(英語版)はそれぞれ1906年と1907年に完成した。ほかにはフランスから潜水艦2隻と駆逐艦1隻を購入していた。アルミランテ・グラウは艦隊の旗艦だったが、より強力な軍艦が購入されるまでの中継ぎであり、コロネル・ボロネーシとともに現代海軍の「先駆」となった。Proceedings誌は1905年にこの新しい海軍は9年間と700万ドルの出費をかけて、スウィフトシュア級戦艦のような前弩級戦艦3隻、装甲巡洋艦3隻、駆逐艦6隻、そして数多くの小型軍艦で構成すると報じた。 ペルーの計画が現実になることはなかった。計画の実施に最も近いのは1912年にペルー海軍がフランスの装甲巡洋艦デュピュイ・ド・ローム(1895年就役の旧式艦)を300万フランで購入する合意をとりつけたときで、3回の分割払いのうちペルーは1回目を支払った。しかし、ペルー本国ではデュピュイ・ド・ロームを購入してもチリとの実力差を埋めることにはならないことが批判され、さらにエクアドルの巡洋艦購入計画が倒れると、ペルーは支払いを停止した。デュピュイ・ド・ロームは商船に改造され、1923年に解体された。 同時期にはほかの南米諸国の海軍も小型艦船を追加した。例えば、ウルグアイ海軍は1910年に排水量1,400ロングトンの砲艦を取得、ベネズエラ海軍は1912年に防護巡洋艦マリスカル・スクレ(英語版)(米西戦争で米国に拿捕、編入されたスペイン船)を米国から購入した。エクアドル海軍は当時排水量約800ロングトンの通報艦2隻、小型汽動船2隻、小型海防戦艦1隻を有していたが、1907年にチリの水雷艇1隻を取得した。
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