こくさい‐かいようほうさいばんしょ〔‐カイヤウハフサイバンシヨ〕【国際海洋法裁判所】
読み方:こくさいかいようほうさいばんしょ
国連海洋法条約に基づいて設置された司法裁判機関。国連海洋法条約の解釈や適用に関する紛争・申し立てを司法的に解決する機関であり、同条約によって付託された海洋関連事件を扱う。1996年、ドイツのハンブルクに設立。全21名の独立裁判官(任期9年)は同条約の締結国会合で3年に一度行われる選挙で7名ずつ改選される。日本人の裁判官も選出されている。ITLOS(International Tribunal for the Law of the Sea)。
[補説] 日本に関連した事件では、日本のみなみまぐろ調査漁獲に関してオーストラリア・ニュージーランドが同条約違反を訴え、同裁判所に付託した平成11年(1999)の「みなみまぐろ事件」、カムチャツカ半島沖のロシア海域でロシア当局に拿捕(だほ)された日本船の早期解放を求めて平成19年(2007)に日本が同裁判所に付託した「第88豊進丸事件(船体・乗組員)」、および「第53富丸事件(船体)」がある。
国際海洋法裁判所
【英】: international tribunal for the law of the sea
国連海洋法条約附属書VIの国際海洋法裁判所規程に基づき設立される、新しい常設的裁判所。 西独の自由ハンザ都市ハンブルグに設置される予定である。裁判所は、締約国の会合で選挙される、国籍を異にする 21 人の裁判官で構成される。判決は当事者を拘束し上訴を許さないなど、訴訟手続は国際司法裁判所と大差がない。国連海洋法条約は、この条約の解釈または適用に関する締約国間の紛争を、国際裁判所で解決する義務を課している。そこで、いずれの国も条約の締約国となる際に、国際海洋法裁判所、国際司法裁判所、仲裁裁判所または特別仲裁裁判所のいずれかの管轄権を受諾することが求められている。そして、紛争当事国のすべてが国際海洋法裁判所の管轄権を受諾している場合には、この裁判所で事件が審理されることになる。この裁判所には全員廷のほかに、特定の種類の紛争を処理するため 3 人以上の裁判官で構成される特別裁判部、事務の迅速な処理のため 5 人の裁判官からなる簡易裁判部、深海底制度に関する紛争を処理するため、11 人の裁判官で構成される海底紛争裁判部、並びに、そのうちの 3 人からなる海底紛争裁判部臨時裁判部が設置される。この裁判所は締約国に開放されるが、深海底制度に関する紛争であって、海底紛争裁判部に付託される事件については、締約国のほかに、国際海底機構またはエンタープライズ、契約当事者もしくは契約予定者である国営企業、自然人または法人も、訴訟当事者となることができる。また、海底紛争裁判部は、国際海底機構の総会または理事会の活動範囲内で生ずる法律問題に関し、勧告的意見を与える。なお、他の締約国に抑留された船舶とその乗組員の迅速な釈放についても、国際海洋法裁判所が有効な役割を果たすことになっている。 |

こくさいかいようほうさいばんしょと同じ種類の言葉
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