仲裁裁判所
【英】: arbitral tribunal
国内社会では仲裁手続に当たるものを国家間では仲裁裁判という。 仲裁裁判とは、紛争の発生ごとに当事国の合意によって選ばれる仲裁人(arbitrator)によって行われる裁判をいい、あらかじめ選任された裁判官によって構成される常設的な裁判所の行う裁判とは区別される。しかし、両者とも国際法に基づいて設立される裁判所が法を基準として審理を行い、当事国を拘束する判決を下す点では変わりがなく、単に裁判所の構成方法が異なるだけである。国連海洋法条約は、仲裁裁判(附属書 VII)と特別仲裁裁判(附属書 VIII)について定めている。仲裁裁判所は 5 人で構成され、紛争当事国が各 1 人を、他の 3 人の仲裁人は当事国の合意により任命される。特別仲裁裁判所は、漁業、海洋環境の保護と保全、海洋の科学的調査、航行(船舶および投棄による汚染を含む)に関係する紛争を専門家によって審理することを目的とし、5 人で構成され、紛争当事国が各 2 人を、裁判所長となるべき 1 人の仲裁人は当事国の合意により任命される。判決は当事国を拘束し上訴を許さない。国連海洋法条約は、この条約の解釈または適用に関する紛争を、国際裁判所で解決する義務を課している。そこで、いずれの国も条約の締約国となる際に、国際海洋法裁判所、国際司法裁判所、仲裁裁判所または特別仲裁裁判所のいずれかの管轄権を受諾することが求められる。そして、紛争当事国のすべてが同一の裁判所の管轄権を受諾していない場合には、その紛争は仲裁裁判所に付託されることになっており、この条約における仲裁裁判所の役割は非常に重要である。なお、英仏海峡大陸棚事件は仲裁裁判によって解決された。 |

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