きみまち阪と初雁の御歌とは? わかりやすく解説

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きみまち阪と初雁の御歌

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/14 07:20 UTC 版)

明治天皇聖蹟」の記事における「きみまち阪と初雁の御歌」の解説

秋田県能代市二ツ井町きみまち阪県立自然公園がある。明治天皇1881年巡幸当地訪れた公園の山の中腹に「明治天皇御休巖」碑と「明治天皇御賜名 徯后阪」碑が並んでいる。 現地言い伝えによると、この地で休憩中の天皇一首和歌渡された、それは夏の長旅を行く天皇気づかう皇后御歌であった皇后からの手紙が先に到着して天皇待っていたのである天皇はこの地を「徯后阪(きみまちざか)」と命名した、というエピソードがあったと言われる国土交通省発表資料も「風光明媚うたわれている『きみまち坂』の名は、明治十四年の明治天皇東北巡行の折、皇后から届いた和歌をこの地で読まれたことに由来する」と断言している。現地に立つ「昭憲皇太后御歌」碑に「大宮の うちにありても あつき日を いかなる山か 君はこゆらむ」の御歌刻まれている。皇后からの手紙は巡幸中の天皇寄せた恋文そのものであったということで「恋文ポスト」「恋文神社」「きみまちの鐘」などがつくられている。公園一帯全国有数パワースポットなのだという。 言い伝え史実とは異なる。明治天皇紀によると、明治14年1881年9月12日明治天皇はこの地に巡幸し、交通難所加護山越えた御輿通った道は加護山開削して前年9月完成したばかりの新道だった。巡幸数日後秋田県石田英吉はこの新道に名称を賜りたい請願した天皇はこの新道を「徯后坂(きみまちざか)」と命名し同月21日宮内大輔杉孫七郎通じて口達した。徯后の語はおそらく書経太甲に「徯我后后来無罰」とあるのを典拠とすると明治天皇紀推定している。これは「わが后を待て。后が来たら罰(禍)がなくなる」という意味であり、ここで「后」とは王のことである(皇后のことではない)。具体的に殷王朝初代湯王を指す。 公園現地案内板によると「徯后阪」の「后」とは「天子様」(明治天皇本人)のことである。この地に坂道切り開いた地元民は「我が后を徯つ(わがきみをまつ)」、すなわち「ここに天子様の行幸があれば大変ありがたいのだがなあ」と思った明治天皇巡幸中この坂で休んだ日頃念願かなった地元民喜び大勢丁重に天皇迎えた天皇見事な景観篤実民情誉め、この坂道を「徯后阪」と命名した。のち、この地に公園をつくることになり大正11年1922年春に起工し翌年秋に竣工した頂戴した有り難い名称にちなんで「徯后阪公園」と名づけた。以上のように解説されている。 きみまち阪歌碑刻まれた「大宮の うちにありても ~」の御歌は、当地への行幸3年前天皇北陸巡幸していたころに皇后詠んだのであるきみまち阪とは関係ない)。皇后公刊御集にはこの御歌と同じころに詠まれた「はつかりを まつとはなしに この秋は 越路(こしぢ)のそらの ながめられつつ」という御歌載っている。この御歌北陸巡幸中の天皇のもとへ届けられたことで知られる1878年9月26日午後5時半ごろ天皇新潟県糸魚川池原邸へ到着する、その前に皇后御歌届いていた。この時期、雁の群れ越冬備えて北の大陸から日本飛んで来ていた。東京で雁の飛ぶ姿を見た皇后は、天皇巡幸する越後路の方角の空が気になった旅先天皇想う皇后の優しい心遣い偲ばれる、という有名なエピソードである。聖徳記念絵画館壁画初雁御歌」は、皇后巡幸中の天皇を偲びつつ皇居の庭を散策する姿を描いている。初雁御歌届いた糸魚川行在所は、近く前神社に移築され、今も保存されているとも、改築されたので残っていないともいう。

※この「きみまち阪と初雁の御歌」の解説は、「明治天皇聖蹟」の解説の一部です。
「きみまち阪と初雁の御歌」を含む「明治天皇聖蹟」の記事については、「明治天皇聖蹟」の概要を参照ください。

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