北風と太陽
「北風と太陽」とは、イソップ物語の一節のことを意味する表現である。
「北風と太陽」の基本的な意味
「北風と太陽」は、数多くの物語を集めた「イソップ物語集」の中に含まれる、物語のタイトルである。主人公は、タイトル通り、北風と太陽である。そして、第三者として人間の旅人が登場する。ある日、北風と太陽が力比べをすることになり、偶然訪れた旅人の服を脱がせることができた方が勝ちというルールを決めた。北風は、自らの風圧によって、旅人の服を吹き飛ばすことを試みる。しかし、北風は冷たいため、旅人は暖を取るために服を体に密着させた。北風はより強い風を吹かせるが、旅人は服を吹き飛ばされないよう、より強く服を押さえつけた。そして、結局北風は旅人の服を脱がすことができず、諦めてしまう。北風が諦め、自身の番がやって来た太陽は、熱で旅人の周囲を暖めていく。その結果、暑さに耐えられなくなった旅人は、自ら服を脱ぎ捨て、力比べは太陽の勝利で終わったというあらすじである。現代では、この物語を元にしたことわざとして、北風と太陽が使用されることがある。北風のように、何でも力任せにことを進めるのではなく、太陽のように工夫をして、目的を達成させなければならないという教訓を含んだことわざだ。また、北風のような厳しい方法ではなく、太陽のような穏やかで寛大な方法を選択すべきだ、という意味としても使用されることがある。
「北風と太陽」の語源・由来
イソップ物語のタイトル「北風と太陽」は、北風と太陽が登場することが由来となっている。イソップ物語が作られた北半球では、北風は冷たい空気を運んでくるものとして代表的であった。そのため、暖かさを象徴する太陽と対比させる形で、北風が選ばれている。また、南半球では、南風が冷たい空気を運んでくるので、「南風と太陽」というタイトルに変更されることがある。「北風と太陽(YeLLOW Generationの曲)」とは
「北風と太陽」は、女性3人組のボーカルユニット「YeLLOW Generation」の楽曲である。2002年に放送されたTVドラマ「ドレミソラ」の主題歌に起用され、ユニット最大のヒット曲となった。楽曲の中では、夢を諦めかけ、塞ぎこんでいた自分を、北風と太陽の物語に登場する旅人に例えてある。そして、太陽のような情熱的な人のおかげで、心の壁を取り去り、変わることができたという内容の歌詞となっている。「北風と太陽(蜂飼耳の本)」とは
蜂飼耳の「北風と太陽」は、日本で広く知られている絵本である。正式なタイトルは「きたかぜとたいよう」であり、岩崎書店の「イソップえほん」シリーズの第5作目として、2011年に発行された。蜂飼耳は、北風と太陽の原文を翻訳し、山福朱実が絵を担当している。「北風と太陽」を含むその他の用語の解説
北風と太陽の法廷(ドラマ)とは
「北風と太陽の法廷」は、2017年に放送されたスペシャルドラマである。冷徹な性格をしている櫻川風香と、明るく優しい麹谷陽太という、2人の弁護士が主役だ。それぞれ正反対の性格であるため、北風と太陽がタイトルに取り入れられている。そして、離婚を希望する夫と、離婚を拒否する妻の代理として、2人が法廷で戦う様子が描かれる。
「北風と太陽」の使い方・例文
「北風と太陽」を物語のタイトルとして使用するのであれば、「北風と太陽は、どの世代でも内容を知っているため、共通の話題にしやすい」「この映画には、北風と太陽が比喩的な題材として使われている」といった使い方をする。ことわざの場合は、「あのクライアントは、頭が固いことで有名であるため、北風と太陽戦法でアプローチをかけようと思う」「売り上げを伸ばしたいからといって、強硬な営業は良くない。北風と太陽の精神が大切である」「恋愛ドラマで、女性主人公は強気な男性ではなく、優しい男性を選んだ。まさに北風と太陽である」のような表現として使用する。「北風と太陽」の英訳
「北風と太陽」を英訳すると、「The North Wind and The Sun」となる。「北風と太陽」の直訳であり、「North Wind」が「北風」「Sun」は「太陽」を意味する。きたかぜとたいよう〔きたかぜとタイヤウ〕【北風と太陽】
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