カシミール【Kashmir】
カシミール(かしみーる)(Kashmir)
カシミール地方の帰属をめぐって、インドとパキスタンの紛争が絶えない。紛争の背景には、イスラム教(パキスタン)とヒンズー教(インド)の宗教的な対立がある。
第2次世界大戦後の1947年、インドとパキスタンの両国がイギリスから独立したとき、イスラム教徒が人口の大半を占めるカシミール地方はインドに統合された。このとき、イスラム教徒の多いパキスタンではなく、ヒンズー教徒の多いインドの帰属となったことがその後の紛争を呼んでいる。
そのうちに、カシミール地方の3分の2をインドが実効支配し、残りの3分の1をパキスタンが実効支配するようになった。1980年代末からインド側の占有地域でイスラム主義過激派による独立闘争が激しくなり、インド政府はテロの背後にパキスタン政府の関与があるとして、両国の関係は悪化の一途をたどっている。
1998年には、インドとパキスタンの双方が核実験を強行し、互いに相手を威嚇(いかく)してみせた。5月14日にインド北部のジャム・カシミール州で起こったテロ事件から一段と緊張の度合いが増している。次に戦争となれば人類史上初の核戦争になるおそれもあるため、アメリカをはじめとする国際社会は調停に乗り出した。
(2002.06.11更新)
- かしみーるのページへのリンク