「鳥人間」的な飛行
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/28 23:27 UTC 版)
最近では 飛行機などに乗る飛行法、つまり大きな箱の中に入って飛ぶことに飽き足らず、できるだけ鳥のような感覚で飛びたいと望む人もいる。 いくつか方法があり、一つはジェットエンジンのついた小さな固定翼だけを背中に背負い、いわば小さな「人間ジェット機」になって飛ぶ方法である。元スイス空軍の戦闘機パイロットで現在は旅客機のパイロットをしているイブ・ロッシーが、趣味としてジェットウィングの開発・改良を長年に渡り重ね、2008年9月26日にはドーバー海峡をフランスから英国側までおよそ35kmほど飛行することに成功した。具体的に言うと、まず小型飛行機に乗り、機内でジェットウィングを装着、フランス側の高度2500mで、スカイダイビングの要領で空中へ飛び出し、空中で落下しながらジェットエンジンを始動。空中で水平飛行に移り、後は時速200km/hを超える速度で英国へと飛行し、目的地上空へ近づいた段階でジェットエンジンを停止し、パラシュートを開いて着陸した。およそ10分ほどの飛行であった。翼は形が変化する箇所(フラップやエルロンなど)は一切なく、飛行姿勢の制御は、ロッシー自身が自分の手や脚の角度をかすかに変化させることで行う。飛行速度が200km/hと十分に高速であるため、手のひらをわずかに動かすだけでも激しくロールし、足のつま先をわずかに動かすことが飛行機の尾翼の操作に相当する。 また、グライダーを極端に小さくしたような状態で、いわば「人間グライダー」のようになって滑空を楽しむ人々も最近現れた。1999年にはフィンランドのBIRDMAN社からウイングスーツが初めて市販され、それ以降、同スーツで飛行することを愛好する人々がいるのである。崖の上から空中に飛び出して滑空したり、上空の飛行機から空中に飛び出して滑空に入る。2011年5月28日には、米国カルフォルニア州にて伊藤慎一が、上空9,754mから降下し水平距離としては23.1km(=23,100m)、これを5分で滑空したという。
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