「輞川集」とは? わかりやすく解説

「輞川集」

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/26 14:05 UTC 版)

王維」の記事における「「輞川集」」の解説

「輞川集」序には次のようにある。 「私の別荘輞川山谷にあり、別荘近くには孟城坳・華子岡・文館・斤竹嶺・鹿柴木蘭茱萸沜・宮陌・臨湖亭・南垞・欹湖・浪・欒家瀬・金屑泉・白石灘・北垞・竹里館・辛夷塢・漆園・園などがあった。裴迪静かに各々絶句賦した。」 「輞川集」には序文中の孟城坳以下20の場所において王維賦し20首、裴迪賦し20首の計40首が収められている。 輞川の詩は前後繋がっており、詩の順序意識的に構成されている。詩の意味とその関連平仄と「桃花源記」・「桃源行」・「藍田石門精舎」によって裏付けられているという研究がある。 孟城坳原文書下し通釈新家城口 新たに家す孟城の口(ほとり) 新しく孟城の坳口に家を設けた 古木垂柳 古木垂柳餘す 古木としてはただ垂柳があるのみだ 來者復爲誰 來者は復誰と爲す 今ここに住もうとする者は私だけだが、将来持ち主はいったい誰か 空悲昔人空しく悲しむ昔人の有なりしを 同じく昔の持ち主として私も空しく悲しまれるであろう 華子岡原文書き下し通釈飛鳥去不窮 飛鳥去りて窮まらず 華子岡を飛び去るは、無数に飛んで去る 連山秋色 連山秋色 連山を見るに復秋色あらわしている 上下華子岡 上下す華子華子岡を上った下ったりすると 惆悵情何 惆悵何ぞまらん いつか悲しく思い尽きない原文書下し通釈栽爲栽して爲し館は杏樹作られていて 香茅結爲宇 香茅結んで宇と爲す 草葺屋宇作られている 不知棟裏 知らず棟裏の の裏より生じたが 去作人 去り人間作ることを 家から出て人間世界となろう 斤竹嶺原文書下し通釈欒映空曲 欒空曲に映じ 竹の美し茂みはひっそりとした流れ影を落とし 青翠漣漪 青翠漣漪に漾ふ 竹の緑はさざ波に漂う 暗入商山路 暗に商山の路に入る 斤竹嶺を過ぎて暗に商山の路に入れば 不可知 人知べからず きこりも気づかない 鹿柴原文書下し通釈空山不見空山人を見ず ひっそりとした山に人影もなく 但聞人語響 但人語響き聞く ただかすかに人の声だけが聞こえ返景深林 返景深林入り 斜陽が深い中に差し込み 復照青苔上 復青苔の上を照らす また青いの上照らし出す 木蘭柴原文書き下し通釈秋山斂餘照 秋山餘照を斂め 秋の山夕日のみ込み 飛鳥逐前侶 飛鳥前侶を逐ふ 飛鳥帰りを急ぐ 彩翠時分明 彩翠時に分明 美しい草木の緑は鮮やかであり 夕嵐無処所 夕嵐所無しのかかるところはない 茱萸原文書下し通釈結実紅且緑 実を結んで紅にして且つ茱萸実を結び紅色緑色とあり 復如花更開 復花更に開くが如し その実美しく再び花が咲いたようだ 山中儻留客 山中倘し客を留めば この山の中で客を留宿させることがあれば 置此芙蓉此の芙蓉杯を置かん 芙蓉杯に茱萸の実を入れて飲むことを薦めよ 宮柏原文書き下し通釈仄径蔭宮 仄径宮に蔭し 傾斜したこみちは離宮に蔽われ 幽陰多緑苔 幽陰緑苔多し おぐらい日陰苔むす緑ばかり 應門但迎掃 應門但迎掃す 客を迎える者が地面を掃うのは 畏有山僧来 畏らくは山僧の来る有らんことを 客として山僧が来ることを畏んだのだろう 臨湖原文書下し通釈軽舸上客 軽舸迎へて客を上せ 軽やかな舟でお迎えして客を乗せて 悠悠湖上悠悠として湖上に来る のどかに湖面中心に来る 当軒対樽酒 軒に当たりて樽酒対すれば 窓に面して樽酒向かえ四面芙蓉四面芙蓉開く 東西南北尽く芙蓉開いているのが見え

※この「「輞川集」」の解説は、「王維」の解説の一部です。
「「輞川集」」を含む「王維」の記事については、「王維」の概要を参照ください。

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