「第一哲学」と「形而上学」とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > 「第一哲学」と「形而上学」の意味・解説 

「第一哲学」と「形而上学」

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/09 00:03 UTC 版)

形而上学 (アリストテレス)」の記事における「「第一哲学」と「形而上学」」の解説

本書内でも度々述べられているように、アリストテレス自身本書扱われているような「諸存在万物)の根本的な原因原理」を考察探求する学問領域のことを、「第一哲学」(希: ἡ πρώτη φιλοσοφία)等と呼んでいた。 しかしこうした呼称定着継承されず、紀元前1世紀アリストテレス遺稿の中から主要な講義研究文献抜き出して編纂し今日に伝わる「アリストテレス全集」をまとめ上げた逍遙学派ペリパトス派)の第11学頭であるロドスのアンドロニコス等は、アリストテレス著作を、 論理学 自然学 (第一哲学) 倫理学 政治学 制作術弁論術詩学) の順で配置し、「第一哲学関連著作群は「自然学関連著作群(希: τὰ φυσικὰ, タ・ピュシカ)の後に配置して、「自然的なものども自然学著作群)の後(meta)のものども」(希: τὰ μετὰ τὰ φυσικὰ , タ・メタ・タ・ピュシカ)と呼んだ。(紀元前2世紀末の著作目録記述から、こうした配置呼称は、もう少し遡った紀元前2世紀以前段階で既に成立していたとも考えられる。) これが後世5-6世紀以降)に短縮ta省略)され、本書およびそこに端を発する学問領域は「メタピュシカ」(羅: Metaphysica)と呼ばれるようになり、今日では英語訳で「メタフィジクス」(英: Metaphysics)、漢訳で「形而上学」等と訳され呼称されている。 ただし、アリストテレスの「第一哲学」が、(『パイドン』等にも述べられているように、古代ギリシア哲学者愛知者)達、特にソクラテス・プラトン系譜学派学徒たちにとって何より重要だった)「諸存在万物)の根本的な原因原理」を巡る、感覚・非感覚・論理・数学・神学などを横断する幅広い包括的な考察であったのに対し近代以降の「形而上学」は、(「哲学全般同じく)「(近代)自然科学」の発展台頭伴って、その考察対象考察領域狭められたり変質させられたりして行き認識論など一部の狭い領域押し込まれ変質した内容となっている点に注意が必要である。

※この「「第一哲学」と「形而上学」」の解説は、「形而上学 (アリストテレス)」の解説の一部です。
「「第一哲学」と「形而上学」」を含む「形而上学 (アリストテレス)」の記事については、「形而上学 (アリストテレス)」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「「第一哲学」と「形而上学」」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「「第一哲学」と「形而上学」」の関連用語

「第一哲学」と「形而上学」のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



「第一哲学」と「形而上学」のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの形而上学 (アリストテレス) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS