「うそつき」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/22 14:31 UTC 版)
あらすじ 4月1日生まれでクラスで1番小さい優介には「ゆうくんルール」が適用されており、順番を守らなくても、席に座らず先生のそばにいても許されてるようになっている。母親のミキは「ゆうくん、特等席ね。」などとのんきだが、父親である杉山は「この子にしてこの親あり」と言われないよう、学校行事にも積極的に参加し、自治会の役員やPTAの会長なども引き受けていた。面倒見のいいタイプの子に囲まれ、何かと世話をされて学校生活を送ってきた優介だったが、高学年にもなると、さすがに誰からもお呼びがかからなくなる。しかしそんな優介が、5年生の夏休み明けに転校してきただいちゃんを家に連れてくる。杉山もミキも気に入り、それからだいちゃんはしょっちゅう杉山家に遊びに来たが、逆にだいちゃんの家に優介が行くことは決して無かった。それについて優介は、「だいちゃんが、“お母さんを殺した人が継母になって、今度は自分を殺そうとしてご飯を食べさせてくれない”なんて嘘を言うんだ。」と言う。優介は嘘だと信じているようだったが、杉山もミキも、だいちゃんの笑顔の裏には何があってもおかしくないと思っていた。そしてその通り、杉山は個人面談を待つ廊下でだいちゃんの継母と出くわしたり、PTAの定例会議でだいちゃんの家から男の子がひどくどなられたり叩かれている音や声が聞こえて心配だという相談を受ける。家に帰った杉山はミキと話し、自分達が白雪姫(だいちゃん)を幸せにする7人の小人になろうと決心する。優介、妹の美咲、そしてだいちゃんを含めて5人で様々な場所へ出かけ、この楽しかったひとときの記憶がこれからのだいちゃんの一生を支えて救ってくれますようにと杉山は祈る。 登場人物 杉山 優介の父。横浜駅からはずいぶん離れた、父の代までは烏ヶ谷(うがや)と呼ばれていた駅前のアパートを建て替え、今は桜が丘と呼ばれる住宅街に土地家屋調査士事務所を開業して15年になる土地家屋調査士。私立大文学部卒で、土地家屋調査士の試験には3回落ちた。妻のミキが優介に同調してしまうため、周りに謝るのが仕事になっている。 子供の頃は「たっくん」と呼ばれており、「うばすて山」にもちらっと登場する。 ミキ 杉山の妻で優介の母。40歳過ぎ。裏表がなく、本心しかない。両親も能天気で、名前がカタカナなのは漢字をどうするか迷っているうちに時間切れになってしまったから。じゃんけんをすると最初にグーしか出さないが、本人は気づいていない。いつでも優介の味方で、優介が問題をおこすと、優介と一緒になって泣いたり怒ったりする。 国立大法学部卒業。教員免許をもち、就職してから受けた司法書士試験も一発合格だった。法律事務所で働いていたが、現在は杉山の事務所を手伝っている。 優介 4月1日生まれの早生まれであるため、クラスで1番小さく、順番に並んだり先生から離れて話を聞くことができない。じゃんけんは最初にいつもチョキを出すが、本人は気づいていない。 美咲 優介の妹。ミキゆずりの大きな目をしている。自分のことを「みいちゃん」と呼ぶ。要領が良い。 山崎 大貴 優介が5年生の時の夏休み明けに宮城県の仙台から引っ越してきた男の子。優介より一回り大きい。優介には「だいちゃん」と呼ばれている。杉山家の最寄駅より1駅横浜側の駅のそばの賃貸マンションに住んでいる。 大貴の母 大貴と血は繋がっておらず、まだ20代ではないかと思うくらいの若さ。髪は茶色くウェーブがかかっている。杉山と同じくらい背が高い。 菊地夫婦 杉山の顧客。自治会の役員を通して知り合う。退職して10年経つ東北なまりのある老夫婦。黒いラブラドールレトリバーのラッキーという犬を飼っているため、美咲も優介も「ラッキーのおじさん」として認識している。夫の方は自治会の役員だけでなく消防団にも入っている。 玉野夫婦 菊地夫婦と土地の境界について争っている。奥さんは妊娠中。 酒井 桜が丘小学校の校外委員長。だいちゃんと同じマンションに住んでいる。でっぷりと肥えている。子供は5人。 阿見 桜が丘小学校の広報委員長。だいちゃんの向かいの家に住んでいる。 もっちゃん 杉山が子供の頃1番仲が良かった近所の団地に住んでいた男の子。苗字は同じく杉山。遠い親戚でもあるらしい。
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