《河豚》の正しい読み方
「河豚」の正しい読み方
「河豚」の正しい読み方は「ふぐ」。「ふくべ」とも「かとん」とも読むことができる。「ふくべ」はふぐの古名であり、「かとん」はふぐの異名であり、どちらも「ふぐ」のことである。平安時代以前の語彙・語音を知る資料である和名抄(わみょうしょう)に「ふくべ」が、中国の元代に編纂された正史(二十四史)の一つ宋史に「かとん」の記載がある。難読漢字のうちのひとつ。ほかにも「ふぐ」と読む漢字には「鰒」、「鮐」、「魨」などがある。「河豚」の意味解説
フグ目フグ科の海魚の総称。学名では「4つの歯を持つ」という意味のテトラオドン。日本近海には40種類以上が知られているが世界中の温・熱帯海域に分布している。テトロドトキシンという毒をもっていることで知られているが、毒のない河豚もおり、くろさばふぐ、 しろさばふぐ は全身無毒である。肝臓も卵巣もすべて食べられる。調理前に布を巻いて一晩ねかせることから、「布久」と書かれていたため、古くは「フク」とよばれていた。なぜ「河豚」と読むのか・理由
「河豚」には、「河」という漢字が使われている。日本では河豚料理に使われる河豚は「海」にいるイメージが強いが、中国では揚子江や黄河などの河に住むフグが親しまれていたことから「河」が使われることとなった。また、膨れた姿が豚に似ていることから「豚」が使われるようになったといわれている。さらに、河豚を釣ったときに豚の鳴き声に似た音がすることから、「豚」が使われるようになったともいわれている。平安時代に河豚を「布久」に「フク」の当て字をあてて呼んでいたものが「フグ」となった説や、ひょうたん(フクベ)に似た形から「フクベ」と呼んでいたものが「フグ」となった説などがある。「河豚」の類語・用例・例文
「河豚」のほかに、「鰒」「鯸」「魨」などが「ふぐ」の漢字としてある。「鰒」はアワビの漢字表記だが音読みで「フク」と読ませるのが、江戸時代では一般的であった。ただ、医者が「アワビ」のつもりで書いた「鰒」の漢字を、間違えて「フグ」だと思い患者が食べてしまいフグ毒に当たって死んでしまったため、「鰒」の漢字が一般的ではなくなったといわれている。「鯸」の漢字の造りの「候」は膨れることを意味し、ふぐの見た目、膨れる魚を表している。「魨」については、「豚」の異体字に「豘」という字があり、屯の字を魚偏につけ、ふぐと読むようになったとされている。例文・河豚のお造り・河豚のようなふくれっ面「河豚」の英語用例・例文
「河豚」の英語には、・blowfish・pufferfish・balloon fishなどがある。blowfishの「blow」は、日本語で「吹く」という意味であり、「puffer」はぷっと膨れる人をさす名詞、fishを付けずにpuffer単独で「河豚」という意味でも用いられる。「balloon」は風船のこと。どれも河豚の膨らんだ様子を表している。例文・the poison from a blowfish(河豚毒)・poisoning caused by eating a pufferfish(河豚の食中毒)・He died from eating the balloon fish.(彼は河豚を食べて死んだ)・I send her a lantern made from the skin of a swellfish(河豚の皮でつくった提灯を彼女にあげた。)- 《河豚》の正しい読み方のページへのリンク