正規分布とは? わかりやすく解説

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せいき‐ぶんぷ【正規分布】

読み方:せいきぶんぷ

数学で、統計資料いくつかの階級分けたとき、その平均値度数中心に正負の値の度数同程度広がる分布グラフ正規曲線となる。ガウス分布

「正規分布」に似た言葉

正規分布

自然現象社会現象通じて広くみられる確率分布一つで、統計学における最も重要な分布である。観測値をx、平均値をmとして、xを横軸にとった場合確率分布は、mで最大で、mから離れるに従って値が小さくなり、x=mに関して左右対称ベル型である。分布広がり程度標準偏差σで表される分布の形は、mとσが決まれば一義的に決まる。観測値多くとれば、xがm±σとm±2σ内に入る確率は、それぞれ67%と95%である。 放射線の量、例え個人被ばく線量をDとすればその対数(logD)が正規分布をする場合がある。このような分布対数正規分布という。 正規分布

正規分布


 正規分布標準正規分布表 正規分布上側確率計算 正規分布パーセント点計算
 Excel には,標準正規分布についてnormsdist,normsinv,正規分布についてnormdist,norminvという関数用意されている。

 二つパラメータ,母平均 μ,母分散 σ2 を持つ正規分布は,N ( μ, σ2 ) と表記される
正規分布
1.正規分布 N ( 3, 22 ) の概形

正規分布
 平均 E ( x )分散 V ( x )
E ( x ) = μ, V ( x ) = σ2
である。
 変数変換z = ( x- μ ) / σ をほどこしたとき(この変数変換のことを 標準化 と呼ぶ),確率変数 zは,平均値 0,分散 1 の正規分布に従い,N ( 0, 12 ) と表される。これを特に,標準正規分布 と呼ぶ。
正規分布
図 2.標準正規分布 N ( 0, 12 ) の概形

 図 1 と図 2 を比較するとわかるように,どのような正規分布でも全て相似である。
 三角分布では一様分布する 2 つ確率変数加えたが,n 個の確率変数の和を考え,n を大きくしてゆくと次第に正規分布に近づく中心極限定理 の項を参照 )。例えば,12 個の一様乱数加えたものは,平均値 6,分散 1 の正規分布に従う。
 ポアソン分布二項分布などは極限的な場合に正規分布に近づく
 正規分布についてもう少し詳しく...

正規分布


正規分布

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/30 02:49 UTC 版)

正規分布(せいきぶんぷ、: normal distribution)またはガウス分布: Gaussian distribution)は、確率論統計学で用いられる連続的な変数に関する確率分布の一つである[1]。データが平均の付近に集積するような分布を表す。主な特徴としては平均値と最頻値中央値が一致する事や平均値を中心にして左右対称である事などが挙げられる[1][2]


  1. ^ a b c d e f g h i 正規分布の分かりやすいまとめ”. AVILEN AI Trend (2016年9月4日). 2022年3月24日閲覧。
  2. ^ 14-1. 正規分布 | 統計学の時間 | 統計WEB”. 2022年3月24日閲覧。
  3. ^ a b 稲垣 1990, pp. 44–45.
  4. ^ JIS Z 8101-1 : 1999, 1.25 正規分布.
  5. ^ JIS Z 8101-1 : 1999, 1.26 標準正規分布 (standardized normal distribution, standardized Laplace–Gauss distribution).
  6. ^ Cramér 1946, § 17.3.
  7. ^ Cramér 1946, (17.2.3).
  8. ^ 稲垣 1990, p. 86.
  9. ^ Abraham de Moivre, "Approximatio ad Summam Terminorum Binomii (a + b)n in Seriem expansi"(1733年11月12日に私的な回覧用にロンドンで印刷された。)このパンフレットは以下に挙げる各書物に再掲されている: (1) Richard C. Archibald (1926) “A rare pamphlet of Moivre and some of his discoveries,” Isis, vol. 8, pages 671–683; (2) Helen M. Walker, “De Moivre on the law of normal probability” in David Eugene Smith, A Source Book in Mathematics [New York, New York: McGraw-Hill, 1929; reprinted: New York, New York: Dover, 1959], vol. 2, pages 566–575.; (3) Abraham De Moivre, The Doctrine of Chances (2nd ed.) [London: H. Woodfall, 1738; reprinted: London: Cass, 1967], pages 235-243; (3rd ed.) [London: A Millar, 1756; reprinted: New York, New York: Chelsea, 1967], pages 243–254; (4) Florence N. David, Games, Gods and Gambling: A History of Probability and Statistical Ideas [London: Griffin, 1962], Appendix 5, pages 254–267.
  10. ^ Stigler 1986, Figure 1.5.
  11. ^ a b 遠山啓『数学入門(下)』(初版)岩波書店岩波新書〉(原著1960年10月20日)、87頁。 
  12. ^ 岩波数学辞典 2007, 付録 公式 23.
  13. ^ a b “NHK世論調査 内閣支持率”. NHK. https://www.nhk.or.jp/senkyo/shijiritsu/ 2023年7月5日閲覧。 
  14. ^ 山田剛史、村井潤一郎『よくわかる心理統計』(初版)ミネルヴァ書房(原著2004年9月4日)、96頁。ISBN 4623039994 
  15. ^ 統計的推定と統計的仮説検定”. なるほど統計学園. 総務省統計局. 2023年7月5日閲覧。


「正規分布」の続きの解説一覧

正規分布

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/09 06:39 UTC 版)

モーメント (確率論)」の記事における「正規分布」の解説

確率密度関数が p ( x ) = 1 2 π σ exp ⁡ ( − ( x − μ ) 2 2 σ 2 ) {\displaystyle p(x)={\frac {1}{{\sqrt {2\pi }}\sigma }}\exp \left({-{\frac {(x-\mu )^{2}}{2\sigma ^{2}}}}\right)} で与えられる正規分布において、n 次の中心モーメントは n が奇数のときは 0 で、偶数のときのみ 0 でない値をとる。 μ n = { 0 ( n : odd ) ( n − 1 ) ! !   σ n ( n : even ) {\displaystyle \mu _{n}={\begin{cases}0&(n:{\text{odd}})\\(n-1)!!~\sigma ^{n}&(n:{\text{even}})\end{cases}}} n!! は二重階乗

※この「正規分布」の解説は、「モーメント (確率論)」の解説の一部です。
「正規分布」を含む「モーメント (確率論)」の記事については、「モーメント (確率論)」の概要を参照ください。


正規分布

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/09 00:54 UTC 版)

安定分布」の記事における「正規分布」の解説

α = 2 の場合、(この場合、β は分布影響与えない) φ ( z ) = exp ⁡ ( i δ z − γ z 2 ) {\displaystyle \varphi (z)=\exp \left(i\delta z-\gamma z^{2}\right)} となる。これは、平均 δ、分散 2γ の正規分布である。

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「正規分布」を含む「安定分布」の記事については、「安定分布」の概要を参照ください。


正規分布

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/12/01 22:40 UTC 版)

尤度方程式」の記事における「正規分布」の解説

Xi (i=1,..,n)が平均をμ、分散をσ2とする正規分布に従うとする(X ∼ N(μ, σ2))。このとき、対数尤度関数は l ( μ , σ 2 , x ) = − n 2 ln ⁡ 2 π − n 2 ln ⁡ σ 2 − 1 2 σ 2 ∑ i = 1 n ( x i − μ ) 2 {\displaystyle l(\mu ,\sigma ^{2},\mathbf {x} )=-{\frac {n}{2}}\ln {2\pi }-{\frac {n}{2}}\ln {\sigma ^{2}}-{\frac {1}{2\sigma ^{2}}}\sum _{i=1}^{n}(x_{i}-\mu )^{2}} であり、尤度方程式は ∂ l ( μ , σ 2 , x ) ∂ μ = 1 σ 2 ∑ i = 1 n ( x i − μ ) = 0 {\displaystyle {\frac {\partial l(\mu ,\sigma ^{2},\mathbf {x} )}{\partial \mu }}={\frac {1}{\sigma ^{2}}}\sum _{i=1}^{n}(x_{i}-\mu )=0} ∂ l ( μ , σ 2 , x ) ∂ σ 2 = − n 2 σ 2 + 1 2 ( σ 2 ) 2 ∑ i = 1 n ( x i − μ ) 2 = 0 {\displaystyle {\frac {\partial l(\mu ,\sigma ^{2},\mathbf {x} )}{\partial \sigma ^{2}}}=-{\frac {n}{2\sigma ^{2}}}+{\frac {1}{2(\sigma ^{2})^{2}}}\sum _{i=1}^{n}(x_{i}-\mu )^{2}=0} となる。これらを整理する最尤推定値として μ ^ = 1 n ∑ i = 1 n x i {\displaystyle {\hat {\mu }}={\frac {1}{n}}\sum _{i=1}^{n}x_{i}} σ 2 ^ = 1 n ∑ i = 1 n ( x i − μ ) 2 {\displaystyle {\hat {\sigma ^{2}}}={\frac {1}{n}}\sum _{i=1}^{n}(x_{i}-\mu )^{2}} を得る。

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「正規分布」を含む「尤度方程式」の記事については、「尤度方程式」の概要を参照ください。


正規分布

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/10 03:22 UTC 版)

二項分布」の記事における「正規分布」の解説

期待値 np および分散 np(1 − p) が 5 よりも大き場合二項分布 B(n, p) に対す良好な近似として正規分布がある。ただし、この近似適用するにあたっては、変数スケール注意し連続分布への適切な処理がなされる必要がある。より厳密に述べれば、n が十分大きくかつ、期待値 np および 分散 np(1 − p) も十分大きい場合期待値 np, 分散 np(1 − p) の正規分布 N(np, np(1 − p)) で近似することができ、期待値からの差 |k − np| が標準偏差np(1 − p) と同程度となる k に対して P [ X = k ] ≃ 1 2 π n p ( 1 − p ) exp ⁡ ( − ( k − n p ) 2 2 n p ( 1 − p ) ) {\displaystyle P[X=k]\simeq {\frac {1}{\sqrt {2\pi np(1-p)}}}\exp {\left(-{\frac {(k-np)^{2}}{2np(1-p)}}\right)}} が漸近的に成り立つ。二項分布一定の条件下で正規分布に近づく、この近似式数学者アブラーム・ド・モアブル1733年著書 The Doctrine of Chances の中で紹介したのが最初であり、ド・モアブル=ラプラス極限定理またはラプラス定理と呼ぶことがある。これは、今日いうところの中心極限定理特別な場合相当する。この正規分布への近似標準正規分布表により、計算労力大きく削減することができる。 例えば、多数住民の中から n 人を無作為に抽出し、ある質問について同意するかどうか尋ね場合考える。同意する人数割合は、もちろんサンプル依存する。n 人を無作為に抽出する作業何度も繰り返し行うとき、同意する人々割合分布は、実際の全住民合意割合 p とほぼ等しい平均持ち標準偏差 σ = √p(1 − p)/n である正規分布に近似される。未知変数 p は、標準偏差小さいほど正確な推定が可能である。そのため、抽出する人数 n は多い方が好ましい。 95%信頼区間ならば、正規分布で近似すると、その範囲は p − 1.959964 p ( 1 − p ) n ∼ p + 1.959964 p ( 1 − p ) n {\displaystyle p-1.959964{\sqrt {\frac {p(1-p)}{n}}}\sim p+1.959964{\sqrt {\frac {p(1-p)}{n}}}} となる。たとえば、p = 50% の場合、n = 100 なら40%〜60%、n = 1,000 ならば47%〜53%、n = 10,000 ならば49%〜51%となる。n = 10場合、正規分布近似ではなく本来の定義に従って計算すると、89%信頼区間で、30%〜70%となる。

※この「正規分布」の解説は、「二項分布」の解説の一部です。
「正規分布」を含む「二項分布」の記事については、「二項分布」の概要を参照ください。


正規分布

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/18 08:52 UTC 版)

フィッシャー情報量」の記事における「正規分布」の解説

平均μ、分散σ2の正規分布N(μ, σ2)において、フィッシャー情報行列は I ( μ , σ 2 ) = ( 1 σ 2 0 0 1 2 ( σ 2 ) 2 ) {\displaystyle {\mathcal {I}}(\mu ,\sigma ^{2})={\begin{pmatrix}{\frac {1}{\sigma ^{2}}}&0\\0&{\frac {1}{2(\sigma ^{2})^{2}}}\end{pmatrix}}} で与えられる

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正規分布(正規乱数)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/13 01:01 UTC 版)

乱数列」の記事における「正規分布(正規乱数)」の解説

正規乱数とは正規分布に従う乱数である。正規乱数工学においてはホワイトガウスノイズとして利用される手法として、以下の方法などがある。GNU Scientific Libraryドキュメントによるとほとんどの場合ジッグラト法が最速である。 逆関数サンプリングボックス=ミュラー法 ジッグラト法(英語版) マルサグリア法(英語版

※この「正規分布(正規乱数)」の解説は、「乱数列」の解説の一部です。
「正規分布(正規乱数)」を含む「乱数列」の記事については、「乱数列」の概要を参照ください。

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正規分布

出典:『Wiktionary』 (2021/12/04 13:03 UTC 版)

名詞

正規分布 (せいきぶんぷ)

  1. (統計学, 数学, 確率論) 自然科学社会科学などの標本数の多い統計全般でよく現れる確率分布のひとつ。値を平均値同じくするただ一つピークがあり、平均値から遠ざかるに従ってその値をとる確率低くなっていく。

発音

類義語

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