ポアソン分布とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 人文 > 統計 > 分布 > ポアソン分布の意味・解説 

ポアソン‐ぶんぷ【ポアソン分布】

読み方:ぽあそんぶんぷ

確率分布の一。xを負でない整数e自然対数の底として、λxex/x!で表される分布を、平均値λのポアソン分布といい、その標準偏差もλになる。一定期間における事故発生放射性物質崩壊など、まれに起こる離散的な事象頻度この分布で近似される。フランス数学者ポアソン導出


ポアソン分布

【英】:Poisson distribution

ある母集団において、Aである確率がpで、Aでない確率1-pのとき、無作為にn個取り出したとき、Aがx個である確率nCxpx(1-p)n-xで、これを二項分布という。(生成確率pが極めて小さいとき、二項分布はe・λx/x !になる。電顕場合には、非弾性散乱の起こる確率にが適用されるEELSスペクトル高次プラズモンロス強度はを仮定して除去される。またCCD検出器計数エラー評価にも使われている。

説明に「ポアソン分布」が含まれている用語


ポアソン分布


 ポアソン分布 の確率関数は次式で表される
ポアソン分布  ……(1)
ただし,x = 0,1, … , λ > 0
 ポアソン分布の概形は図 1 のようになるが,λが大きくなる正規分布近づくアニメーション,または,ムービー)。
ポアソン分布
1.ポアソン分布の概形

 二項分布において,生起確率 p が極めて小さ場合がある。このとき,n が十分に大きくてn p有限なものとなる。そこで,n p = λ とおき,n → ∞,p → 0 としたとき,二項分布( 1 )式の確率関数 f ( x ) を,λ と x を用いて表すことを考える。
 p = λ / n を二項分布( 1 )式に代入すると,次式のようになる
ポアソン分布
 ここで,
ポアソン分布
および
ポアソン分布
注意すると,( 1 )式になる。
 ポアソン分布の平均 E ( x )分散 V ( x )二項分布との関係より,
E ( x ) = V ( x ) = λ
である。


例題: 「自動車事故による死亡1 年間1 万人であるとする。日本の人口11,600 万人,ある都市人口100 万人としたとき,その都市自動車事故による死亡一件もないという日が起こる確率求めよ。」
解答: ある一人の人が交通事故にあう 1 日あたり確率 p はきわめて小さい。
p = 10000 / ( 116000000・ 365 ) = 2.362 × 10 - 7
 また,この都市人口きわめて大きいので,交通事故死確率はポアソン分布に従うと考えられる
 ポアソン分布のパラメータ λ は,
λ = n p = 1000000・ 2.362 × 10 - 7 = 0.2362
となる。
 ( 1 )式より,求め確率は f ( 0 ) = 0.790 となる。


 このほか,ポアソン分布に当てはまる事象としては,製品中の不良品個数一定時間内に電話かかってくる回数などがあげられる

ポアソン分布

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/23 07:01 UTC 版)

統計学および確率論で用いられるポアソン分布: Poisson distribution)とは、ある事象が一定の時間内に発生する回数を表す離散確率分布である。


  1. ^ @teramonagi (2012年1月28日). “指数分布とポアソン分布のいけない関係”. SlideShare. 2012年1月27日閲覧。
  2. ^ 土居正明. 二項分布と Poisson 分布の平均・分散 (PDF) (Report). ポアソン分布の平均と分散の導出
  3. ^ “Do bacterial cell numbers follow a theoretical Poisson distribution? Comparison of experimentally obtained numbers of single cells with random number generation via computer simulation” (英語). Food Microbiology 60: 49–53. (2016-12-01). doi:10.1016/j.fm.2016.05.019. ISSN 0740-0020. https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0740002016300776. 
  4. ^ Ladislaus von Bortkiewicz (1898) (PDF), Das Gesetz der kleinen Zahlen, University of Wasington Library, Leipzig Druck und Verlag von B.G.Teubner, http://ia600201.us.archive.org/4/items/dasgesetzderklei00bortrich/dasgesetzderklei00bortrich.pdf  復刻版が2010年にNabu Pressより発売されている
  5. ^ Par Simeon Denis Poisson (1857) (PDF), Recherches sur la probabilité des Jugements, Des Regles Generares du Calcul des Probabilites, Bacheliar, Impremeur-Libraire., http://ia600404.us.archive.org/12/items/recherchessurlap00pois/recherchessurlap00pois.pdf 


「ポアソン分布」の続きの解説一覧

ポアソン分布

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/07 05:36 UTC 版)

ランダム行列」の記事における「ポアソン分布」の解説

隣接する固有値区間[λ+S,λ+S+dS]に見つかる確率P(S)dS固有値の値λや間隔 S とは相関がなく独立している(つまり定数)と仮定すると、固有値最近間隔分布ポアソン過程において連続して起こる事象生起間隔分布と同じ指数分布になる。 P ( s ) ∼ e − s {\displaystyle P(s)\sim e^{-s}}

※この「ポアソン分布」の解説は、「ランダム行列」の解説の一部です。
「ポアソン分布」を含む「ランダム行列」の記事については、「ランダム行列」の概要を参照ください。


ポアソン分布

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/09 06:39 UTC 版)

モーメント (確率論)」の記事における「ポアソン分布」の解説

確率質量関数が P ( x = k ) = λ k e − λ k ! {\displaystyle P(x=k)={\frac {\lambda ^{k}e^{-\lambda }}{k!}}} で与えられるポアソン分布において、モーメント次のように与えられる。 m 1 = λ m 2 = λ 2 + λ m 3 = λ 3 + 3 λ 2 + λ ⋮ {\displaystyle {\begin{aligned}m_{1}&=\lambda \\m_{2}&=\lambda ^{2}+\lambda \\m_{3}&=\lambda ^{3}+3\lambda ^{2}+\lambda \\&\vdots \end{aligned}}}

※この「ポアソン分布」の解説は、「モーメント (確率論)」の解説の一部です。
「ポアソン分布」を含む「モーメント (確率論)」の記事については、「モーメント (確率論)」の概要を参照ください。


ポアソン分布

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/10 03:22 UTC 版)

二項分布」の記事における「ポアソン分布」の解説

n が大きく p が十分小さ場合np適度な大きさとなるため、λ = np母数とするポアソン分布が二項分布 B(n, p) の良好な近似与える。すなわち、n が十分大きいとき、期待値 λ = np とおくと、 P [ X = k ] ≃ λ k e − λ k ! {\displaystyle P[X=k]\simeq {\frac {\lambda ^{k}e^{-\lambda }}{k!}}} が成り立つ(詳細はポアソン分布の項を参照)。この結果数学者シメオン・ドニ・ポアソン1837年著書 Recherches sur la probabilite des jugements (Researches on the Probabilities) の中で与えており、ポアソン極限定理呼ばれる

※この「ポアソン分布」の解説は、「二項分布」の解説の一部です。
「ポアソン分布」を含む「二項分布」の記事については、「二項分布」の概要を参照ください。


ポアソン分布

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/13 22:25 UTC 版)

キュムラント」の記事における「ポアソン分布」の解説

確率分布関数が P ( x = k ) = λ k e − λ k ! {\displaystyle P(x=k)={\frac {\lambda ^{k}e^{-\lambda }}{k!}}\,} で与えられるポアソン分布において、キュムラント母関数次のように与えられるlog ⁡ M ( s ) = λ ( e s − 1 ) = ∑ n = 1 ∞ λ s n n ! {\displaystyle \log {M(s)}=\lambda (e^{s}-1)=\sum _{n=1}^{\infty }{\frac {\lambda s^{n}}{n!}}} 従って、全てのキュムラント cn は λ となる。 c n = λ n = 1 , 2 , … {\displaystyle c_{n}=\lambda \quad n=1,2,\dots }

※この「ポアソン分布」の解説は、「キュムラント」の解説の一部です。
「ポアソン分布」を含む「キュムラント」の記事については、「キュムラント」の概要を参照ください。


ポアソン分布

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/16 01:21 UTC 版)

十分統計量」の記事における「ポアソン分布」の解説

X1, ...., Xn を、母数λ のポアソン分布に従う独立確率変数とする。和 T(X) = X1 + ... + Xn が λ に対す十分統計量である。同時確率は: Pr ( X = x ) = P ( X 1 = x 1 , X 2 = x 2 , … , X n = x n ) . {\displaystyle \Pr(X=x)=P(X_{1}=x_{1},X_{2}=x_{2},\ldots ,X_{n}=x_{n}).} 観察独立であるから次のように書き換えられる: e − λ λ x 1 x 1 ! ⋅ e − λ λ x 2 x 2 ! ⋅ ⋯ ⋅ e − λ λ x n x n ! {\displaystyle {e^{-\lambda }\lambda ^{x_{1}} \over x_{1}!}\cdot {e^{-\lambda }\lambda ^{x_{2}} \over x_{2}!}\cdot \,\cdots \,\cdot {e^{-\lambda }\lambda ^{x_{n}} \over x_{n}!}\,\!} さらに e − n λ λ ( x 1 + x 2 + ⋯ + x n ) ⋅ 1 x 1 ! x 2 ! ⋯ x n ! = e − n λ λ T ( x ) ⋅ 1 x 1 ! x 2 ! ⋯ x n ! {\displaystyle e^{-n\lambda }\lambda ^{(x_{1}+x_{2}+\cdots +x_{n})}\cdot {1 \over x_{1}!x_{2}!\cdots x_{n}!}=e^{-n\lambda }\lambda ^{T(x)}\cdot {1 \over x_{1}!x_{2}!\cdots x_{n}!}\,\!} これから因子分解条件成り立ち、h(x) は全変数階乗の積の逆数である。

※この「ポアソン分布」の解説は、「十分統計量」の解説の一部です。
「ポアソン分布」を含む「十分統計量」の記事については、「十分統計量」の概要を参照ください。


ポアソン分布

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/18 11:23 UTC 版)

ジェフリーズ事前分布」の記事における「ポアソン分布」の解説

非負の整数 n {\displaystyle n} についてのポアソン分布の場合考える: f ( n ∣ λ ) = e − λ λ n n ! , {\displaystyle f(n\mid \lambda )=e^{-\lambda }{\frac {\lambda ^{n}}{n!}},} レートパラメータ λ ≥ 0 {\displaystyle \lambda \geq 0} についてのジェフリーズ事前分布は p ( λ ) ∝ I ( λ ) = E [ ( d d λ log ⁡ f ( n ∣ λ ) ) 2 ] = E [ ( n − λ λ ) 2 ] = ∑ n = 0 + ∞ f ( n ∣ λ ) ( n − λ λ ) 2 = 1 λ . {\displaystyle {\begin{aligned}p(\lambda )&\propto {\sqrt {I(\lambda )}}={\sqrt {\operatorname {E} \!\left[\left({\frac {d}{d\lambda }}\log f(n\mid \lambda )\right)^{2}\right]}}={\sqrt {\operatorname {E} \!\left[\left({\frac {n-\lambda }{\lambda }}\right)^{2}\right]}}\\&={\sqrt {\sum _{n=0}^{+\infty }f(n\mid \lambda )\left({\frac {n-\lambda }{\lambda }}\right)^{2}}}={\sqrt {\frac {1}{\lambda }}}.\end{aligned}}} 同等に、 λ = ∫ d λ / λ {\textstyle {\sqrt {\lambda }}=\int d\lambda /{\sqrt {\lambda }}} についてのジェフリーズ事前分布は、非負実数直線上の正規化されていない一様分布である。

※この「ポアソン分布」の解説は、「ジェフリーズ事前分布」の解説の一部です。
「ポアソン分布」を含む「ジェフリーズ事前分布」の記事については、「ジェフリーズ事前分布」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「ポアソン分布」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



ポアソン分布と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ポアソン分布」の関連用語

ポアソン分布のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ポアソン分布のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
日本電子株式会社日本電子株式会社
Copyright(C)1996-2024 JEOL Ltd., All Rights Reserved.
統計学用語辞典統計学用語辞典
Copyright (C) 2024 統計学用語辞典 All rights reserved.
日本オペレーションズ・リサーチ学会日本オペレーションズ・リサーチ学会
Copyright (C) 2024 (社)日本オペレーションズ・リサーチ学会 All rights reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのポアソン分布 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのランダム行列 (改訂履歴)、モーメント (確率論) (改訂履歴)、二項分布 (改訂履歴)、キュムラント (改訂履歴)、十分統計量 (改訂履歴)、ジェフリーズ事前分布 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS