放射線健康リスク管理アドバイザー就任後とは? わかりやすく解説

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放射線健康リスク管理アドバイザー就任後

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/10 05:59 UTC 版)

山下俊一」の記事における「放射線健康リスク管理アドバイザー就任後」の解説

2011年3月19日福島県知事佐藤雄平要請により、福島県放射線健康リスク管理アドバイザー長崎大学高村昇と共に就任。「市民との対話繰り返して放射線恐怖取り除くこと」を主眼に、クライシス・コミュニケーション立場から、福島県中心に各地放射線に関する市民講演会行った3月19日には、福島県災害対策本部訪れ報道陣対し放射能のリスク正しく伝わっていないが、今のレベルならば、ヨウ素剤投与不要だ」と話した読売新聞3月21日)。日本における安定ヨウ素剤予防服用指標は、予想される被曝量甲状腺等価線量)100mSv(※WHO基準は10mSv)と定められている。今回事故においても安全委員会13日10時すぎに「(スクリーニングで)1万cpm基準として除染及び安定ヨウ素剤服用実施すること」と手順示したが、この指示対策本部現地には伝えられなかった。福島県知事には独自にヨウ素剤服用指示をだせる権限はあったが、国からの指示待ち、県としての独自対応はしなかった。双葉町富岡町大熊町三春町の4町は現場判断15日服用実施いわき市楢葉町、および浪江町民の避難所ではヨウ素剤配布のみを行っていた。 3月24日公開されSPEEDI ではそれまで被曝積算量1歳児・甲状腺)100mSv以上を示す地域飯舘村川俣町南相馬市はじめとして広く描出されており、国会事故調委員会服用による予防策は十分ではなく福島県知事責任があったと結論づけている。朝日新聞記事によれば山下3月23日SPEEDI結果見て「ありゃー、と思いました」、「日本の原発にはヨウ素とかを取り除くフィルターとかがきちんと付いているものだと思っていた。まさかこんなに広範囲汚染されているとは思わなかった」。さらに「60km離れた福島県立医大ヨウ素剤を飲む必要は無いと言った。しかし、当初避難した住民は国の指示ヨウ素剤飲んでいたと思っていた。避難する要する必要がある事態であれば服用すべきであった」としている。 2011年11月出版された『放射能真実福島第二チェルノブイリにするな―』の山名元との対談で、山下は「甲状腺等価線量100ミリシーベルトとか200ミリシーベルトとか500ミリシーベルトといった値が、飯舘村から浪江町辺り理論的にあるわけです。あそこに2週間ずっといたという人たちがどのぐらいいるか」、「そういう人たち以外のリスク極めてゼロに近いと思います」 という見解語っている。 3月20日山下記者会見時における内容とりまとめとされる環境放射能人体に及ぼす影響等について」という文書福島県から出される同文書では「1時間当たり20マイクロシーベルト放射線降り注いだとして、人体取り込まれる量は約1/101時間当たり2マイクロシーベルト以下か更に少ないと考えられます。2マイクロシーベルト24時間受け続けたとしても約50マイクロシーベルトしかなりません」とあるが、取り込まれる量の具体的な根拠について何も触れてはいない。20μSv/hrは空間線量率であり外部被曝計算用いられるのである実際に原子炉事故早期段階ガス体となって飛散する放射性ヨウ素131甲状腺への取り込みによる内部被曝空間線量率から計算することは原理的に不可能である(空気中の放射性物質濃度、Bq/m3のデータ必須である)であり、空間線量にそれらを総合して判断する必要がある このため、WHOはヨウ素剤配布基準空間線量100ミリシーベルトだが、子供などでは10ミリシーベルト段階でも配布考慮すべきとされている。 同日には高村とともにいわき市平体育館で放射線基礎知識についての説明や、参加者との質疑応答行い、「福島における放射線による健康被害はない」ことを強調し空間放射線量数値などから「健康に影響はない」とし、「いわきを起点復興立ち上がろう」とメッセージ送った3月21日には前日同様に高村同行し福島テルサ開かれた講演会で、「これから福島という名前は世界中知れ渡ります。福島福島福島、何でも福島。これは凄いですよ。もう、広島長崎負けた福島の名前の方が世界に冠たる響き持ちますピンチチャンス最大チャンスです。何もしないのに福島有名になっちゃったぞ。これを使わん手はない。何に使う。復興です」、「放射線の影響は、実はニコニコ笑ってる人には来ません。クヨクヨしてる人に来ます。これは明確な動物実験わかってます。酒飲みの方が幸か不幸か放射線の影響少ないんですね。決し飲めということではありませんよ。笑い皆様方の放射線恐怖症取り除きます」、「100マイクロシーベルト/hを超さなければ、全く健康に影響及ぼしません。ですから、もう5とか10とか20とかいうレベルで外に出ていいかどうかということは明確です。昨日いわき市答えられました(発言ママ)。『今、いわき市で外で遊んでいいですか』『どんどん遊んでいい』と答えました福島も同じです。心配することはありません。是非、そのようにお伝えください」と発言した福島県公式サイトでは3月22日更新で「質疑応答の『100マイクロシーベルト/hを超さなければ健康に影響及ぼさない』旨の発言は、『10マイクロシーベルト/hを超さなければ』の誤りであり、訂正しお詫び申し上げますご迷惑をおかけし、誠に申し訳ありません。」という訂正があるが、インターネットアーカイブ2011年4月30日UTC13:44:58時点ではその訂正がなく、福島県日付改竄した可能性がある。 週刊東洋経済2012年6月30日号のインタビュー山下講演について聞かれ、「事故直後毎時1020マイクロシーベルトという空間線量各地計測された。ただし、そのレベルではどんなに多めに見積もっても(がん発症統計学的に有意増加するとされる100ミリシーベルト達すことはないことから、『心配しすぎなくていい』と申し上げた語っている。 また、マスクについて質問に「これは花粉症に効くでしょう放射性の物質をどれだけブロックするか、皆さん濡れタオルを口にあてたことがありますか窒息しますね。そんなことを新聞は平気で書いていますね。これは気休めです。でも気休めを言わなくちゃいけないようになってるんです。基準がそう書いてあるから。だから、皆さんマスクはやめましょう」と回答した4月1日飯舘村村議会議員職員対象にした非公開セミナーでは、「今の濃度であれば放射能汚染され食べものを1か月くらい食べたり飲んだりしても健康には全く影響はありません」 と発言した参加者一人によれば山下は「国の言うことは正確なんだから、あなたたちは国の言うことに従ってください。私は学者であり、私の言うことに間違いはないのだから、私の言うことをキチッと聞いていれば、何の心配もない」と語り「大丈夫」「大丈夫」オンパレードで、汚染実態を何も知らないまま講演に来たのかとさえ思ったという(山下本人によれば飯舘村の高い放射線量知ったのは、3月2425日)。 4月11日飯舘村計画的避難区域指定されたが、山下はそれについて、「飯舘村の人たちは自分意思もう少し反映してもいいのではないか思いました20ミリシーベルトという基準で切ること自体を、許容するかどうか地元みなさん決めていただくという考え方です。例えば、放射線の影響を受けにくい40歳上の人なら、働き盛りで、帰って牛を育てたり、稲をつくったりするほうが、メリット大きいわけです」という意見述べている。 福島県外では3月22日には外国人記者クラブ記者会見行ったまた、福島民友新聞インタビュー対し影響があるのは100ミリシーベルト上の放射線量1回受けた時で、将来、がんになる可能性1万人に1人ぐらい増える」、その放射線量を「CTスキャン1度10受けたときの放射線量相当する。ただし、CTスキャン医療に必要であり、CTスキャンが悪いというものではない」と述べた一方で長崎新聞インタビューには、放射性物質30km圏外にも飛散しているとした3月23日政府公表対し「子どもや妊婦中心に避難させるべきだ。ただし理論値であり、誤差検証しなければならない」と答えている。 4月5日東京行われた日本財団主催による講演会山下は、「福島第一原発原子炉今回地震損傷なく生き延び日本科学の粋をもって緊急炉心停止が行われたのは不幸中の幸い今後爆発起こらないだろうし、炉心の中のくすぶり抑えるため、いま懸命な努力なされている。ただ、チェルノブイリ100分の1程度放射性物質環境中放出されたと推測されるため、今後長期的なモニタリング健康影響調査必要だろう」と語った4月6日官邸助言を行う原子力災害専門家グループ招聘された。 5月1日福島県立医大開催した健康管理調査スキームについての打ち合わせ」で、山下は「福島県世界最大実験場」と発言し、1ミリシーベルト上の被ばくした人への生活補償医療補償について言及していた。 5月3日二本松市講演で、「どのように対応すれば福島崩壊させずにすむかということが私が最も腐心した点であり」、「福島方々が、今、最大晒されている危険は何かというと、この『風評被害』と『精神的なダメージ』であると語った被曝量について、「100ミリシーベルト以下では明らかな発ガンリスクは起こりません」、「(癌のリスクは)わからない」としている。 5月27日には、福島県で約202万人全県民を対象に、3月11日事故以降行動調査することを決定し福島県民健康管理調査検討委員会会合初め開かれ山下はその検討座長選ばれた。 6月23日長崎大片峰茂学長は「福島県における放射線健康リスク管理活動について」と題するメッセージ発表した片峰学長メッセージ延べ100人以上の長崎大学職員福島県訪れ支援活動展開していることを紹介し専門家として福島原発事故による健康影響について一貫して科学的に正し発言をしている」と山下教授擁護した。「放射線による健康リスクに関する議論は、さまざまな見解流布されある意味混乱極みにある」とも述べた山下教授は「私自身やましいところは全くない本当に間違っていて不必要であれば解任されているはず。広島長崎も私を応援しない」「逃げ選択決し悪くない後ろめたい思いをすることもない。しかし自主避難経済的問題含めさまざまなリスクがある。覚悟要る避難には慎重になってほしい」と語った一連の講演会では、自分判断避難することはできるとしつつも、こどもを外で遊ばせていいかという質問対し、「1時間当たりの空間線量毎時10マイクロシーベルト以下であれば、外で遊ばせて大丈夫です。マスクをしなくても大丈夫。もちろん普段通り通学問題ありません。」と回答した。また同時期、週刊誌対談行政対し「たとえ30キロ圏外でも、必要なら自主的にではなく命令をもって避難させなければいけない」と言及している。 また、NPO法人チェルノブイリへのかけはし代表の野呂美加によれば山下は「汚染されたものを食べて大丈夫」とテレビで発表した後にチェルノブイリ活動していたグループ山下電話をしたところ、「立場仕方がなかった」と答えている。 9月12‐13日には、日本財団後援により、福島医大放射線医学防護国際専門家会議放射線健康リスク』 が開催されたが、組織委員務めた山下は、「世界英知福島県集まって議論してメッセージ発したことで、不安払拭期待できる県民健康管理調査方向性についても外部の目で評価され正しさ確認できた」と評価した2012年3月1日福島県立医科大学国際連携部門設立された時、山下武見敬三客員教授就任依頼している 同月には朝日新聞長崎版インタビュー応じ、健康調査について「健康調査は我々医療関係者最大責務だ。自ら選択して住み続ける人たちを見守っていかなければならない。今も200万人近くの人が大変な生活をし、風評被害に耐えている。その方たちに危険をあおって福島から出て行けという方が無責任だ」と主張した震災がれき受け入れについても「乗り越えなければならないことだ。痛み共有する重荷分かち合うという覚悟ができるかどうか」であると語った東日本大震災から1年後となる3月11日には、アラブ首長国連邦ドバイハリファ大学開催されセミナー学生教授スタッフ相手福島第一原子力発電事故について語った2012年7月15日-21日全国中学校理科教育研究会はウクライナ・ロシア視察行いNPO法人ネットジャーナリスト協会会長有馬朗人と共に山下参加した同行した一人によれば山下チェルノブイリ原子力発電所で「福島はこれが4つですからね・・・」と肩を落としていたという。 2016年12月18日福島県郡山市開催され放射線教育に関する国際シンポジウム一般公開セッション放射線健康影響学校教育」で山下基調講演した。東京電力福島第一原発事故チェルノブイリ原発事故放出され放射線量は全く異なるとしながらも、住民対す精神的社会的経済的な影響は同じとした。その上で県民ストレス緩和向けてリスクコミュニケーションをしっかりやっていく協力お願いしたい」と呼び掛けた

※この「放射線健康リスク管理アドバイザー就任後」の解説は、「山下俊一」の解説の一部です。
「放射線健康リスク管理アドバイザー就任後」を含む「山下俊一」の記事については、「山下俊一」の概要を参照ください。

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