当主直属兵団
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「我間乱〜GAMARAN〜」の記事における「当主直属兵団」の解説
六参謀とは別に陣介が自ら指揮する戦闘集団。無宝流内でも特に戦闘能力に優れた精鋭10名で構成されており、一部には参謀と同等かそれ以上の実力者も含まれているという。流派内で唯一、単独行動が認められており、清盛、無楽らの言動から軍団長以下の構成員に対する私的制裁も黙認されている様子。 なお、構成員の一人である伊藤乱丸は、当初は師団長として登場するが、便宜上こちらで解説する。 伊藤 乱丸(いとう らんまる) 冷静沈着で感情表現に乏しい青年剣士。その優れた剣才と忠誠心の高さを陣介に見込まれ、幼い頃から彼から直々に剣の指南を受けている。親に捨てられた孤独な身であり、陣介と出会う前は幼いながら「鬼の子」と噂されるほどの牢人斬りだった。我間と同じく「天覚ノ眼」の持ち主であり、その眼を最大限に生かした技として相手の攻撃を見切って先に自分の攻撃を打ち込む交叉法を最も得意とする。我間に個人的な興味を寄せており、「陣介の血を引く者」である彼と対比して、自らを「陣介の技を受け継ぐ者」と称する。また直善を「誰にも必要とされてこなかった人間」としてかつての自分と重ねて見ており、命を賭して守ると誓っている。 大亀流と明神流との試合後、無宝流が動き出したと同時に自分から直善を守るため立ち向かってきた我間を完膚なきまでに叩きのめし、さらにはあえて命を見逃すという最大の屈辱を味わわせる。その後、師団長から当主直属兵団に抜擢され、直善の警護を任されることになる。 最終決戦において直善を救いにきた我間と遭遇、陣介の敵であるとして対峙する。交叉法により始終優勢に進めるも、我間が新たに習得した第六の型「神威」によって致命傷を負う。その後、乱丸を庇い共に城を脱出しようという直善を制止し、直善という友が出来た喜びや剣士として未練がないことを言い残し死亡する。 宮藤 四門(くどう しもん) 我間と年齢の近い若者で、陣介の側近的な役割を持つ。陣介の命で天幻流の偵察を行っていたが、我間が天幻流を倒したことで監視対象を彼に変更する。負傷した我間に仕合を辞退するよう勧めるなど、早くから接点を持つ。二回戦では陣介から名の上がっていた武芸者の登用の任を与えられる。 かつては神成流に所属しており、初代当主である鬼崎にも後継者として認められた実力であったが、新当主を決める際に同門の周助を殺める結果となってしまい、二人の実力差を知っていながら真剣勝負をさせた玄斎を恨み出奔する。 最終決戦において、海原城へ向かう鬼崎と亀伝坊の前に立ちはだかり、かつての復讐として鬼崎と対峙する。師匠である鬼崎と同等以上の実力を見せ左目に一太刀入れ、鬼崎が反撃に繰り出した神成流の極意である「卍抜き」も一目で瞬時に習得し、卍抜き同士の対決にも勝利し鬼崎を殺害する。続いて亀伝坊とも交戦しようとするが幕府側の人間による反乱によって中断、異変を察して本丸へと向かい、陣介を城外へ運び出した。 決戦後は、かつての仕打ちによる恨みはあるが剣士としては最後まで尊敬できる男だったとして、鬼崎の墓前で神成流の後継者として生きていくことを誓い、陣介の遺志を継ぐために土龍達と共に旅立っていった。 続編の『-修羅-』では、無宝流の当主。決戦以降弱体化してしまった無宝流の再興を目標に掲げ、さらに幕下大仕合を利用し再び幕府に戦を仕掛けようとしている。再興の中で我間を陣介の後を継ぐ当主として勧誘し、我間が交渉に応じ当主として就任した後は、我間不在時の無宝流の指揮や駿河藩との交渉など裏方に回って活動している。 土龍(つちりゅう) 隠密風の装束を纏った男。大陸の武器子母鴛鴦鉞の使い手。海原大仕合で伝令役の隠密が身に付けている物と同じデザインの仮面を所持している。かつては限界天兵に所属しており幕府の暗殺部隊の一人であり、当時は「黒龍」と呼ばれており、幕府から陣介殺害の任を受け戦闘になった際に己の武について諭され、その後何度も陣介に挑み続けているうちに、無宝流と陣介こそが自身の居場所となっていたと語られている。 非常に身のこなしが軽く、戎簾の里で対峙した亀伝坊を雰囲気だけで圧倒するほどの実力者。大亀流との決戦では水川流ともに亀伝坊、玄斎を討つため海原城正門前に向かい、ほんの短時間で中泉流の子弟8名を全滅させる。続く玄斎との戦いでも完全に彼を手玉に取り、同格の水川流が伊織に倒された際もまったく動揺せず1対3での戦闘を続行しようとするなど驚異的な腕を見せるが、参謀暗殺による非常事態を知らせる半鐘が鳴らされたため撤退する。 撤退後は裏切り者の捜索をしていたらしく、最終決戦において逃亡していた月影を暗殺する。 決戦後は四門や神空といった無宝流の生き残りと共に陣介の意思を継ぐために旅立った。 続編の『-修羅-』では、番付六十九番「黒瀬龍」として幕下大仕合に飛び入りで参戦する。無宝流の一員として四門の意志を尊重する立場を取っているものの、我間が陣介の後継足りうるかには当初疑念を抱いていた。本戦一回戦においては幕府側の王華に無宝流の潜伏先が露呈した際に交戦、奇抜な剣術に一度は翻弄されるも勝利する。また、自身が限解天兵の出であったことが明らかとなった。 山ノ上 清盛(やまのうえ きよもり) 元・絃魂(げんこん)流拳法創始者にして初代当主。直属兵団では唯一の徒手格闘家で、「凶拳王(きょうけんおう)」の異名を持つ。尋常でない指の力の持ち主であり、すべての力と体重を込めた突きである奥義「尖牙神勁(せんがじんけい)」は、刀剣なみの切れ味を誇る。また相手の神経を直接突き、その部分を数日間動かせなくさせる技「天脈気殺(てんみゃくきさつ)」も操る。その手で相手の臓腑を抉り出すといった残虐な殺し方を好み、相手を挑発し策にはめる狡猾さを持つ。普段は場の空気を読めないへらへらした青年で、無自覚な毒舌で相手を怒らせる天才。その性格から、同じ直属兵団やほかの軍団とも軋轢が絶えない。本人曰く強い人が好きであるらしく、弱者については完全に見下しており慇懃無礼な態度で接するが、強者に対しては武芸者として敬意を払っても見せる。 陣介によって直属兵団全員に大亀流殲滅の命が下された後、真っ先に行動を開始。仲間から力量不足を指摘され一行を飛び出した善丸を襲撃する。その怪力に驚嘆しつつも、同時に身体操作が完璧でないため定長を全力で振るえないという善丸の弱点をも看破、全ての手の内を逐一潰して見せ、最終的に両手両足の神経を麻痺させ圧勝する。止めを刺そうとした所に、善丸を探しにやってきた可士太郎が現れ、これとも互角以上の戦いを繰り広げるが、止めを刺すべく繰り出した右腕の神経を天脈気殺を盗み取った彼の剣で切断され、無防備状態となった胸を刺し貫かれて死亡した。 水川流 進介(つるまる しんすけ) 元・神垣(かみがき)流所属の青年剣士。質実剛健とした武人らしい性格をしており、性格が正反対の清盛とは折り合いが悪い。元の流派に伝わる二刀を組み合わせて大剣を形作る怪刀「双炎丸(そうえんまる)」と、それを利用した防御不能の奥義「双炎車輪(そうえんしゃりん)」の使い手。通常の刀の二倍の重量を持つ双炎丸を操る腕力と、一度の斬撃のうちに相手を二度斬るという特殊な性質を持つ双炎車輪を自在に制御する技巧を兼ね備え、更に殆どの相手はそれらを使うまでも無く葬ってきた力量の持ち主。 海原城正門前で陽動作戦を続ける亀伝坊と鬼崎の討伐に土龍と共に向かうが、月影の情報により救援に駆け付けた伊織と対峙する。互いに一太刀ずつ手傷を負わせた後、双炎車輪によって一気に勝負をつけようとするが、脇差を伊織自らの膝に突き立て受け止めるという奇策(通常の防御では双炎丸の重量によって弾き飛ばされてしまう)によって防御され、返す刀で左目を失い、右腕に重傷を負う。それでもなお反撃に繋げるべく右腕を気力で動かし伊織の追撃を受け太刀する気概を見せるが、結局双炎丸ごと肩口から胴を断ち割られ死亡する。あっけなく倒されたが伊織にとっては久々に本気で戦うに値する相手ではあったらしく、70点の評価が与えられる。 神空(じんくう) 顔を仮面で隠した謎の多い男。やや飄々とした物腰で、仮面の下は優しげな顔の美青年である。陣介の直属兵団召集時には自分の背丈ほどもある巨大な得物を所持していた。刀と体術を組み合わせた闘いをする。かつては徳川家の分家の紀州徳川家に仕える隠密集団『藤の一族』の出身であり、一族の中でも屈指の才を持っていたが、自身を疎んじる兄の策略によって嵌められた後に陣介と出会い、陣介の言葉によって自身の路を自身で切り拓く事を決め、陣介と共に歩む事を決める。 花村の暗殺後は土龍と同じく裏切り者の調査をしていたらしく、終盤にて土龍と共に月影を暗殺する。 決戦後は四門や土龍といった無宝流の生き残りと共に陣介の遺志を継ぐために旅立った。 続編の『-修羅-』では、番付六十三番「白州神」として幕下大仕合に飛び入り参戦する。本戦一回戦では我間を無宝流に保護されていた直善のもとへ案内する役目を受け、同試合で我間の相手だった元羽義盛や周囲に展開していた幕府の密偵である案内人を一人で全滅させた。我間の当主就任後、無宝流の間者である碇谷と手を組み自身の死を偽装。二回戦にて独断で将軍暗殺のため城へと潜入する。柳楽と海道の両名によって重傷を負うが、将軍の影武者と海道を殺し、瀕死の最中に江戸城へとやって来た我間によって救出された。 蟻丸(ありまる) 筋骨隆々とした巨躯に岩のような肌、獣のような面貌を持つ怪人。その言動が示す通り、実は女武芸者である。海原城第二門より内部に張り巡らした坑道で生活しており、ところどころ設置した砂場の下から刺突用の剣で地上の相手を攻撃する戦法を得意とする。足場の悪い砂地をものともしないほどの足腰の強さを持ち、地上では両刃剣と巨大な盾を駆使した突進戦法で相手を圧倒する。 得意の地中戦法で本丸を目指す大亀流一向に次々と手傷を負わせ、地上でも優位に戦闘を進める。しかし激戦を経て覚醒した善丸に圧倒され、再び地中に潜り体勢を立て直そうとするも、背後から朱円月の一閃を受け死亡する。 東条 春嶽(とうじょう しゅんがく) 直属兵団最古にして最強と称される長刀使いで、梅庵のかつての師匠。無精ひげとべらんめえ口調が特徴で、梅庵と同じく大の酒好き。戦闘においては眉尖刀を愛刀としている。江戸で幕府の諜報活動に従事していたため、ほかの直属兵団よりも遅れて海原城に到着した。梅庵の敵討ちという名目で我間を付け狙うが、本人は復讐にはさして興味がなく、純粋に我間の実力に興味を抱いている。 薬師寺の敗北後、我間の才能を測るために対峙する。疲労していたとはいえ門を破壊するほどの威力のある中泉新の破王を弾き飛ばし、我間を始終圧倒するほどの力を見せる。その後、急成長を続け自身に一太刀入れた我間を大いに気に入り、我間が「天覚ノ眼」の所有者であることを告げ、幕府の隠密によって戦闘を中断された際には相手を引き受け、「生きて再開した際には今日の戦いの続きをしよう」という約束を交わし我間を城へと送り出した。 十年前は師も流派の看板も持たず、戦いの日々を送る一匹狼であったが、自身の鬼神ともいえる強さもあり、周りに集った武芸者の誰一人も高揚させてくれるような相手が現れずに退屈していた。そんな折に陣介と立ち合い、お互い一進一退の攻防を繰り広げ、陣介から倒幕の勧誘を受けたことで意気投合、無宝流へと加入した。 続編の『-修羅-』では、番付六番として幕下大仕合に参戦。予備戦における伊織との戦闘では(連戦による疲労や心の迷いがあったが)伊織を終始圧倒するほどの力を見せつける。陣介なき無宝流は面白くないと縁を切っており、一時は幕府に協力を打診され拒否する気もなかったが、我間が無宝流当主に就任するという報を聞き無宝流へ戻ることを決意する。 その後、幕府から送り込まれていた蔵院聖矢に裏切り者と見做され交戦。事前に戦術や能力を分析されていたこともあり苦戦を強いられるが、蔵院が勝負を決めに来たところで自身の唯一の大技「虎王破牙」を繰り出し勝利する。その後は我間や四門らと合流し無宝流へと戻った。 大宮 万里 元・明神流四神槍の一人。詳細は明神流を参照。 松本 無楽 元・卍卍流当主。詳細は卍卍流を参照。
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