2012年人類滅亡説
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他の事柄との関連
この年の5月20日(日本時間では5月21日)に最大規模と呼ばれる金環食が起こり、この時太陽・地球・月、さらにこれに加えプレアデス星団までが正確に地球と一直線に並ぶという天文学的に稀な現象が発生すると主張する者もおり、その日が12月22日の滅亡に向かう契機と解釈するものもいた[27]。なお、この金環食は特に長時間継続するような特別なものではなく、日本では九州・四国・本州の太平洋岸を通過し、それらの地域で、一部は雲に阻まれたものの早朝に中心食を見ることができたが、異常事態と見られる現象は報告されていない。
また、12月21日から22日ごろの冬至の日には、地球から見て銀河系の中心とされるいて座と太陽の位置がほぼ重なってみえる(いて座・太陽・地球が大体一直線に並ぶ)。地球からみた太陽の通り道である黄道がいて座の銀河中心付近を通過するのは全くの偶然であるが、地球 - 太陽 - 銀河中心 の順で一直線に並ぶのは毎年1回起こるので、珍しいことではない。しかし「地球の自転軸である地軸の傾く方向」に太陽と銀河中心が重なる位置関係になるのは、以下説明するように約13,000年に1回であり、こちらは珍しい現象であると言える。地軸は黄道面に対し約23.4度傾いており、傾いたまま太陽の周りを公転するため、1年に2回地軸の南半球側と北半球側の傾きが交互に太陽に向く。北半球ではこれが夏至と冬至の日に当たる。天文学では冬至点より90度東にずれた春分点が天球上の黄道と赤道の交差点になるため、ここを座標の起点としている。一方で地軸は約26,000年という長周期で首振り運動しており、歳差現象と呼ばれる。歳差運動により春分点や冬至点も同じ周期で黄道上を移動し、現代は冬至点がちょうどいて座の銀河中心付近にある。従って現代の冬至には単に 地球 - 太陽 - 銀河中心 ではなく、地軸の傾く方向(南半球側)- 太陽 - 銀河中心 がほぼ並ぶことになる。また歳差運動により約13,000年後はいて座が夏至点に移動するため、今度は、地軸の傾く方向(北半球側)- 太陽 - 銀河中心 がほぼ並ぶ。歳差運動による春分点の移動は角度にして毎年約0.8分( = 約0.014度 = 約360/26,000度)というゆっくりとしたものなので、実際には2012年を含む数百年間は冬至点が銀河中心近くにあり、2012年だけが特別ではない。マヤの長期暦の終了と密接に関係しているという主張があるが、地軸が太陽や銀河中心から物理的な影響を受けているとすればかなり前から何からの現象が見られるはずであり、2012年に突然何かが起こるとは考えにくいとみられていた[28][29]。
ほかに太陽活動の極大期が2012年ごろに当たっており太陽嵐が発生する可能性があることから、ギルバートのようにこれと関連付ける論者もいる。だが、これについては1957年にほぼ同程度の活動があった時も特に人類滅亡には繋がらなかったとする反論が寄せられている[30]。それに対して地球の磁気圏で見つかった巨大な穴[31]により、今回は大きな被害に結びつくと指摘するものもいる[32]。さらに、フォトンベルトや惑星ニビルと関連付けるものやベテルギウスの大爆発が起きるという説もあった。
また、1999年に向けたブームと同様に、年代の明記されていない予言を2012年と結び付けようとする者たちもいた。例えばホピ族は独特の予言体系をもっていることで知られるが、終末論的な伝承を2012年と結び付けようとする動きがホピ族の一部にもあったという。しかし、こうした結び付け方については学習研究社のオカルト雑誌『ムー』の記事ですら否定的見解を持って取り上げられた[33]。ほかに聖書、クルアーン、ミドラーシュ、易経[34]などと関連付ける論者もいた模様である。
なお21世紀に予言者を自称する者には人類の8割が滅亡する時期を2043年におくジュセリーノ・ダ・ルース[35]、2012年に特に言及のないまま西暦3000年までの予言をしているジョー・マクモニーグル[36]のように2012年に人類が滅亡するという立場と一致しない予言をする者もいた。
- ^ 紀元前3114年8月11日を始点とするGMT説に基づく換算。2012年12月21日は13バクトゥンに当たる。説により数日の差がある。以下同様。
- ^ ローレンス・E・ジョセフ『2012 地球大異変』日本放送出版協会、2007年、の訳者(東郷えりか)による後書き。
- ^ ASIOS『謎解き超常現象』彩図社、2009年
- ^ 青木晴夫『マヤ文明の謎』講談社現代新書、1984年。小池佑二「マヤの暦について」『東海大学文明研究所紀要』16号、東海大学、1996年、27-44頁、ISSN 0285-0818。
- ^ 青木(1984)、pp.218-220。ライアン・スプレイグ・ディ・キャンプ『プラトンのアトランティス』角川春樹事務所、1997年、p.190。ピーター・ジェイムス、ニック・ソープ『古代文明の謎はどこまで解けたかI』太田出版、2002年、p.139
- ^ 青山和夫『古代メソアメリカ文明』講談社選書メチエ、2007年、p.123
- ^ 2012年?伝統のマヤの予言が本当に伝えていること
- ^ マヤ・カレンダー(NAGA K'U 奥義学校)
- ^ ジョセフ(2007)、p.292-
- ^ ASIOS(2009)、p.281
- ^ 予言総合研究会『21世紀の大予言』茜新社、2008年、p.161
- ^ 学習研究社発行 ムー2010年2月号「アセンションの真実と死後の世界」
- ^ ジョセフ(2007)、p.295
- ^ 岡田光興 『2012年と日月神示 – 人類はやがてゝ生命体へ多次元神化する!』 徳間書店 2009年
- ^ 「恐るべきマヤの大予言 『2012年人類滅亡』はあるのか?ないのか?」、『週刊プレイボーイ』2012年1月9日号、集英社、2011年、103頁。2015年11月16日閲覧。
- ^ マヤ暦が予言する人類滅亡は2012年ではなく2015年だった(週プレNEWS) - 2012年12月24日閲覧
- ^ 20年3月地球消滅? 原田龍二がマヤ暦の予言のウワサを分析、FRIDAYデジタル、2019年9月18日。
- ^ 土方美雄『マヤ・アステカの神々』新紀元社、2005年、pp.52-54
- ^ 青木(1984)、p.95-96。
- ^ a b c マイケル・D・コウ『古代マヤ文明』創元社、p.273
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- ^ スプレイグ・ディ・キャンプ(1997)、p.184。ジェイムズ&ソープ(2002)、p.141。小池(1996)、p.31
- ^ スプレイグ・ディ・キャンプ(1997)
- ^ 平川陽一『1999アルマゲドンの全真相』廣済堂文庫、1999年、pp.173-174。予言総合研究会(2008)、p.166
- ^ ASIOS(2009)、pp.278-279
- ^ ル・クレジオ(望月芳郎訳)『マヤ神話 チラム・バラムの予言』新潮社、1981年
- ^ 『GAKKENMOOK 戦慄!!世界の大予言』学習研究社、2008年、p.53。
- ^ 「en:2012 phenomenon#Galactic alignment」
- ^ What is the Galactic Alignment?
- ^ ASIOS(2009)、pp.281-282。1957年の黒点相対数は190を越え、観測史上最大となったが、記録されるような異常事態は起こっていない。また、2012年の太陽活動が1957年の水準に達する可能性は従前から乏しいとされ、国立天文台の観測結果でも黒点相対数は例年より突出した数値を示さなかった[1]。
- ^ 地球の磁気圏に巨大な穴、見つかる Gizmodo Japan、2008年12月
- ^ サタスペ!『ビートたけしの超常現象マル秘ファイル緊急警告!2012年人類滅亡の暗号!?』2009年7月11日放送より
- ^ 南山宏「ホピ族の聖なる予言と宇宙神話」(『ムー』2009年5月号所収)
- ^ ジョセフ(2007)
- ^ ジュセリーノ・ノーブレガ・ダ・ルースほか『続・未来からの警告』たま出版、2008年
- ^ 予言総合研究会(2008)
- ^ 人類は2012年に滅亡する……映画「2012」予告編ムービー公開 - GIGAZINE、2008年11月19日
- ^ Countach2012
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